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NATO、INF破棄支持で結束 核軍拡に不安募る

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INFについてコメントするNATOのストルテンベルグ事務総長=1日、オスロ(ロイター)
INFについてコメントするNATOのストルテンベルグ事務総長=1日、オスロ(ロイター)

 【ベルリン=宮下日出男】トランプ米政権による米露の中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄通告をめぐり、北大西洋条約機構(NATO)は1日、「完全に支持する」との声明を発表し、米欧同盟の結束を示した。ただ、条約が失われることで、欧州が再び核軍拡競争の舞台になることへの不安も出ている。

 NATOは声明で、米国の破棄通告について露側の「重大な条約違反」が原因だと批判。失効までの6カ月の間に完全な順守状況に戻るよう求め、失効してもその責任は「ロシアが唯一負う」と断じた。

 一方、メルケル独首相は「今後半年間を対話に使う」と表明。NATOのストルテンベルグ事務総長も、ロシアに条約順守への説得を続けるとし、条約存続に向けぎりぎりまで外交努力を続ける考えを示した。

 欧州は東西冷戦時代、当時のソ連の中距離ミサイルの標的にされ、INF条約によりその核の脅威から解放された。条約がなくなってロシアが核戦力を拡大した場合、欧州は抑止力均衡を保つため米国による「核の傘」の増強に頼る必要に迫られる。こうした状況は、米ソの核軍拡の前線にあった欧州の悪夢を想起させるだけに、条約破棄には慎重論も強かった。

 米国の破棄通告表明を受け、欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表は「超大国の対峙(たいじ)の場に戻るのを見たくない」と強調した。旧ソ連圏にあったハンガリーのシーヤールトー外務貿易相は「東西対立で敗北するのはいつも中欧だ」と悲観している。

 NATOでは今後の対応をめぐる温度差も垣間見える。ドイツでは「核増強は誤った回答」(マース外相)との声が出る一方、ロシアへの警戒感が強いポーランドは自国へのミサイル配備も排除しない姿勢だ。今後の議論次第では加盟国の結束が試される。

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