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いらだつアフガン政府 米軍撤収なら治安崩壊も

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 【ニューデリー=森浩】米国とイスラム原理主義勢力タリバンが米軍撤収を議題とする直接対話を重ねていることは、アフガニスタン政府にとって焦燥感に駆られる展開だ。政府は米軍抜きでの治安維持は困難との姿勢だが、自らが交渉に参加できない現状にいらだちを隠せない状況だ。

 「長期に及ぶ外国部隊の駐留を望むアフガン人はいないが現時点では必要だ」

 アフガンのガニ大統領は1月28日の演説で、米軍を含む駐留外国部隊の撤収にくぎを刺した。21日からカタールの首都ドーハで行われた米国とタリバンとの交渉を受けた発言だ。

 政府は駐留米軍撤収なら「治安が崩壊する」(アフガン国防省幹部)との立場だ。政府の支配地域はタリバンなど武装勢力に押され、国土の54%(2018年10月現在)にすぎない。政府軍は士気の低下が著しく、米軍の支援物資や武器の横流しが頻発するほどで、武装勢力を封じ込める力はない。「米軍が撤収すれば、タリバンは政府に対して攻勢に出る可能性があるほか、別の武装勢力を極秘裏に支援する可能性もぬぐえない」と話すのは、カブール大のシャフラ・ファリド教授(政治学)だ。

 政府とすれば交渉に自らの意見を反映させたい局面だが、タリバン側は政府を「(米国の)かいらい政権にすぎない」として交渉への参加を一貫して拒否。ガニ氏は1月の交渉の中身を米国のハリルザド和平担当特別代表から事後的に聞くにとどまった。ガニ氏は「ハリルザド氏の任務はアフガン政府とタリバンとの直接交渉を実現することだ」とも発言しており、政府抜きでのこれ以上の交渉進展を露骨に警戒する。

 ファリド氏は「当事者である政府が交渉の外側では和平が成立しても実効性に乏しいものとなる。だが、タリバンが政府の参加を受け入れることは考えにくい。米国とタリバンの今後の交渉の焦点となるだろう」と分析している。

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