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米もミサイル開発で対抗へ 中国の脅威にも対処

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ロシアの地上発射型巡航ミサイル「9M729」=23日、モスクワ(AP)
ロシアの地上発射型巡航ミサイル「9M729」=23日、モスクワ(AP)

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は、ロシアに対する中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄通告に関し、ロシアが今後も条約を順守する可能性は低いとみて、6カ月後の条約正式破棄後を受けて新たに短中距離弾道ミサイルの開発を進める方向で検討に入った。

露に順守の意思なし

 米政権がロシアに条約順守の意思がないと判断したのは、ロシアが条約違反の対象として問題視されている地上発射型の巡航ミサイル「9M729」の実戦部隊を拡充させていることが判明したためだ。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が1月31日、複数の欧米当局者の話として伝えたところでは、ロシアは9M729を運用する部隊について、昨年12月は3個大隊だったのが、最近になって4個大隊に増強されていたことが判明した。

 ロシアは問題のミサイルを2017年に初めて実戦配備して以降、米国に対し「外交的解決」を唱える裏で同ミサイルの実戦部隊を着々と拡充してきた。トランプ政権は、欧州の同盟諸国や欧州駐留米軍に対する同ミサイルの脅威を除去するには、ロシアのINF条約順守はもはや期待できず、むしろ条約を破棄し、新型の中距離ミサイルを独自開発して対抗するのが得策と判断した。

中国の脅威にも対処

 また、米政権としては条約破棄により、インド太平洋地域に展開する米軍基地や米艦船、同盟諸国を脅かす中国の短・中距離弾道ミサイルの脅威を封じ込めるため、同地域での中距離弾道ミサイルの配備も視野に入れているのは確実だ。

 実際、米議会の政策諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」が1月28日に発表した報告書によれば、中国は米国によるINF条約の破棄に反対していると指摘した上で、条約を破棄することで米国はアジア太平洋地域での中国のミサイルの脅威を打ち消し、中国の侵略的行動を抑止することができると強調した。

米もミサイル開発へ

 米国による今後の動きとして軍事専門家らの間で取り沙汰されているのは、通常弾頭搭載の地上発射型巡航ミサイルの開発だ。ロシアの9M729に早急に対抗する思惑から、最初から新規開発するよりは既存のミサイルを改修する可能性が高いとみられている。

 ウォールストリート・ジャーナル紙は、米空軍の空対地ミサイル「JAASM」または海軍の海上発射型トマホーク、あるいは陸軍の短距離ミサイル「ATACMS」の派生型を開発して対応する可能性があると指摘している。

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