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【識者談話】国連安全保障理事会北朝鮮制裁委員会の専門家パネル元委員、古川勝久氏

国連安全保障理事会北朝鮮制裁委員会の専門家パネル元委員、古川勝久氏
国連安全保障理事会北朝鮮制裁委員会の専門家パネル元委員、古川勝久氏

 米国と北朝鮮は非核化交渉に入ったが、北朝鮮による制裁逃れは後を絶たない。漁業権の売却や、海上で石油精製品などの積み荷を移し替える「瀬取り」、国連禁輸品の密輸などは北朝鮮にとって、生活を営むための習慣のようなものであり、違法行為の根絶は不可能だろう。

 中国やロシア、韓国などの周辺国は、北朝鮮の制裁逃れを積極的に取り締まらず、抜け穴を残したままだ。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、南北融和を優先し、韓国内の制裁違反事件の詳細や韓国人実行犯の情報を公表していない。

 韓国政府は昨年、国連安全保障理事会の承認を得ず北朝鮮・開城の南北共同連絡事務所に禁輸品の石油を持ち込んだ際、「外交目的なので制裁違反ではない」と主張した。これでは外交目的ならば国連加盟国は禁輸品も勝手に北朝鮮に持ち込めることになる。あしき前例で、危険な論理だ。

 一方、中国政府は米中関係の悪化に配慮して、対北朝鮮制裁をおおむね順守する意向のようだが、完全履行とは程遠い。特に、安全保障に直接、影響しない分野では、水産品や家電製品などの禁輸品が堂々と取引されている。

 例えば、中国の漁船が北朝鮮海域で採った海産物は中国内で販売される。北朝鮮の海産物は質が良く、中国内でも人気が高い。制裁を無視して、北朝鮮の高速道路建設事業の入札を行った北京企業もある。

 瀬取りや密輸を手引きするキーマンの摘発も進んでいない。周辺国の法務執行当局が情報共有などで協力を深化させる必要がある。

(聞き手 板東和正)

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