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【マーライオンの眼】和平にチャンスを

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フィリピン南部ミンダナオ島マギンダナオ州で2009年11月に起きた虐殺現場に建つ犠牲者の墓碑(吉村英輝撮影)
フィリピン南部ミンダナオ島マギンダナオ州で2009年11月に起きた虐殺現場に建つ犠牲者の墓碑(吉村英輝撮影)

 山道の小高い場所に、墓碑が立っていた。2009年11月にフィリピン南部ミンダナオ島マギンダナオ州で起きた虐殺の墓碑だ。選挙をめぐる抗争で、候補予定者の陣営の車列が、対立していた政治家の私兵集団の待ち伏せに遭い、57人が死亡。うち約30人は同行のマスコミ関係者だった。

 後に当時の州知事やその息子が逮捕された。虐殺現場にほど近い彼らの豪邸は今も残されていた。当時を知る地元記者は「強力な武器を持った黒装束の私兵が家の周囲を警備し異様だった」と振り返る。

 ミンダナオ島西部の自治体ではこの1月、22年に設立するイスラム自治政府への参加を問う住民投票が行われた。十数万人が犠牲になったこれまでの紛争は、キリスト教徒とイスラム教徒の対立だけでなく、イスラム教徒同士の部族間抗争などもあり、外からは見えにくい問題も抱え根深い。

 自治政府には「組織や法体系が不透明」「汚職が悪化するだけ」などと反対意見も耳にする。南部スルー州ホロ島の教会では27日、爆発で20人以上が死亡するなど暴力が続く。

 だが、民兵を含む12万人が銃を置き、安定と経済発展へ歩み出せる枠組みは現在、ほかにない。「チャンスを与えよう。私は賛成を投じる」。現地のクリスチャン老政治家の言葉が印象的だった。(吉村英輝)

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