PR

ニュース 国際

【主張】タイ総選挙 軍政との決別が最優先だ

Messenger

 軍事政権が続いていたタイで、民政復帰に向けた総選挙(下院)が3月24日に実施されることになった。

 総選挙は実に8年ぶりである。2014年5月のクーデター以来、軍事政権は何度も、実施を約束しながら、先延ばしにしてきた。

 重要なのは、軍事独裁の長期化という異常事態を終わらせることだ。国民が納得できる形で民政復帰を果たしてほしい。

 タイは、多数の日本企業が進出するなど、日本とのつながりが深い。先に発効した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の最も有力な新規加盟候補国でもある。総選挙後、経済関係がさらに緊密化することにも期待したい。

 タイを含むインド太平洋地域では、中国が巨額の経済支援で各国の強権的な政権を支え、自らの影響力拡大を図っている。

 力を頼む軍事独裁では、そうした中国の手法に取り込まれてしまう。タイの民政復帰は「自由で開かれた地域」を構成する一員であるためにも欠かせないものだ。

 タイは東南アジア諸国連合(ASEAN)で主導的立場にあり、その動向は中国寄りのカンボジアなど周辺国にも影響しよう。

 総選挙と新政権づくりが困難な道のりなのは間違いない。

 民政復帰は、17年施行の新憲法にのっとって行われるが、この制度は、上院を軍政の任命制とするなど、民主的とは言い難い。

 総選挙で選ばれる下院議員と同様、上院議員も新首相指名選挙に参加できるため、親軍政政党は過半数がとれなくとも、政権を握ることができる。

 民政復帰がなったとしても、過渡期の政権だと認識することが必要である。タイ社会の最大の不安要因である、タクシン元首相派の地方の貧困層と、反タクシン派の都市部のエリート層との政治対立は解消していないからだ。

 引き続き、タクシン、反タクシン派の国民和解と同時進行で、民主化を促さなければならない。

 タイは今年、ASEANの議長国である。前回、議長を務めた09年に行われたASEAN関連会合では、タクシン派が会場に押し寄せて中止になる混乱もあった。

 中国の覇権主義に対抗するためASEANが果たすべき役割は大きい。混乱を抱えたとしても、ASEAN議長国としての責任をまっとうすることが肝要だ。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ