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【石平のChina Watch】信用できぬファーウェイの弁明

 たとえば彼は「共産党を支持している」と述べている。それは一般国民が言うセリフであっても、れっきとした共産党員の彼が言う言葉ではない。共産党が党員に求めるのは「忠誠」であって「支持」うんぬんではない。中国共産党第12回党大会の代表にも選ばれたエリート党員の任氏にそれが分からないはずはない。彼は明らかに、「共産党を支持する」という「他人行儀」の言い方をもって、自分自身と共産党との関係性から人の目をそらそうとしているのであろう。

 中国政府からの機密提供要求について「それを拒否する」と任氏が答えたが、そんなことは現実にあり得ない。中国の国内企業ならば、政府当局からの情報提供を拒否できるはずがない。現に、2017年6月から中国で施行された「国家情報法」には、「いかなる組織および個人も、国家の情報活動に協力する義務を有する」(第7条)と明記されている。

 こうしてみると、自社社員のスパイ容疑と会社自体のスパイ活動疑惑について、華為技術と任氏の行った弁明はいかにも疑わしいものであることが分かるであろう。彼らはこうして何らかの真実を覆い隠そうとしている、と思わざるを得ない。

 彼らが忘れてはならないのは、「欲蓋弥彰」という中国の四字熟語である。「真実に蓋をすれば逆にそれが露呈してしまう」という意味合いだ。隠せば隠すほど疑惑はますます深まるだろう。世界中のユーザーたちに通信機器を提供している大手企業として、華為技術は責任をもって真実を明らかにし、人々からの疑義に誠実に答えてもらいたい。そうでなければ、われわれはどうしても、「華為」を信用できないのである。

                   

【プロフィル】石平

 せき・へい 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

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