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日韓「根本的に違う世界観」浅羽祐樹・新潟県立大教授

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浅羽祐樹・新潟県立大教授
浅羽祐樹・新潟県立大教授

 日韓関係は国交正常化以降の半世紀で過去最悪の状況に陥っている。韓国は現在「革命」の最中にあり、隣人の世界観、歴史観が日本と根本的に異なることを冷徹に認識すべきだ。

 いわゆる徴用工訴訟をめぐり、韓国政府は昨年10月の大法院(最高裁)判決前から現在まで事態を放置している。彼らが最も重視する北朝鮮問題で、日本を実質的なプレーヤーとしてカウントしていないためだ。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権は南北と米朝が連動して半島問題に取り組むことに自信を深めており、対日関係の改善は緊急性を要する事案ではない。一方では国内世論、他方では国際社会から反発を受ける対応策を考案し、リスクを取って問題収拾に動く必要はないのが現状だ。

 仮に日朝の拉致問題交渉が前進し、資金が日本から北朝鮮に渡る状況になれば、北を動かすてこの一つとして日本を重視するようになる可能性もある。しかし、韓国は非核化の前に拉致問題が進展すると考えていない。日本は1965年の日韓請求権協定に基づく協議を要請しているが、実現の可否にかかわらず、二国間の交渉が不調に終わるのは確実だろう。

 一方、韓国海軍が海自哨戒機に火器管制レーダーを照射したとされる問題で重要なのは、今回の事実認識だけでなく日韓当局間の基本的な価値観の食い違いが浮き彫りになったことだ。

 北朝鮮の非核化に向け、日本が国際社会の制裁維持、海上で物資を積み替える「瀬取り」の監視強化を訴えるのに対し、韓国は制裁緩和を働きかける立場から、積極的に北漂流船の救助にあたる。昨年の安倍首相の施政方針演説では「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」という文言が消えたが、現状は一歩進み、戦略的利害をめぐり敵対している状況にも映る。

 文政権は、保守政権の「不正な権力者」を追いやった「革命政権」の位置づけだ。革命の最中には法や合意より「正義」を貫き諸問題を処理してよい、という認識で、日本の思考とは根本的に相いれない。

 韓国との「関係を切る」と言うのは簡単だが、民間ではすでに重層的な関係が構築されている。また、軍当局間の信頼関係を取り戻さなければ、日本にとっても損失は大きい。当面の対応策としては、日本側の主張の正当性を示すための客観的な資料をそろえ、国際社会に向け根気強く支持を訴えることだろう。(聞き手 時吉達也)

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