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「EU離脱案の承認は実現不可能」細谷雄一・慶応大教授

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細谷雄一慶応大教授
細谷雄一慶応大教授

 史上最大の大差で離脱協定案が否決されたのは、予想通りの結果だったといえる。与党・保守党内が強硬離脱派と残留派に分裂した「内紛状態」に陥っており、2つの派閥が納得する離脱案を提示するのは実現不可能なミッションだった。否決されたことで、合意なき離脱に陥る可能性は50%以上に跳ね上がった。

 英国の主権回復を優先する強硬離脱派と、経済重視の残留派は価値観がまるで異なる。メイ首相は双方の派閥の溝の深さを過小評価していたに違いない。また、きまじめに離脱案の正当性を訴えるメイ首相の姿は、ロボットと組み合わせた「メイボット」と一部の議員から呼ばれていた。議員から理解を得るための根回しなど柔軟な政治活動が不足していたと思われる。

 合意なき離脱になれば、海外からの直接投資や国内総生産(GDP)は大幅に縮小し、経済回復には数十年かかる。どの国家も戦争を除いて、これほどの混乱を経験したことはないだろう。英国は外交や安全保障政策などより離脱後の対応に追われることになり、国家としてのプレゼンスは落ちると予想される。ただし、国民には離脱派が根強く残る中、今後、2度目の国民投票を実施しても、残留の結果になるとはかぎらない。

 一方で、英国が合意なき離脱により世界から孤立すれば日英関係はより強固になる。もともと、英国は米中やロシアとの関係は良好ではなく、英国は経済面などで日本を頼る局面が増えそうだ。(聞き手 板東和正)

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