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「EU崩壊につながる可能性低い」渡邊啓貴・東京外国語大教授

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渡邊啓貴・東京外大大学院教授
渡邊啓貴・東京外大大学院教授

 英国の欧州連合(EU)離脱に対するEU側の基本路線は、(1)英国に離脱を思いとどまらせる(2)もし離脱するなら「第二の英国」を出さないためにメイ首相とEUが合意した離脱協定案の修正には応じない-というものだ。EUは、3月末に迫った「合意なき離脱」の期限の延長交渉に応じるなど、硬軟織り交ぜた対応をしていくのではないか。

 英国はEU第3位の大国で予算面でも政治面でも存在感が大きい。離脱案の否決後、EUのトゥスク大統領は「唯一建設的な解決策を誰かが勇気を持って口に出さないのか」と述べた。英国残留へのEU側の期待は今後も消えないだろう。

 仮に英国が合意なき離脱に突き進んだ場合、欧州が被る損害は大きい。例えば英国で金融業の免許を取得すればEU域内で営業できる「単一パスポート」が失効し、欧州だけでなく世界の金融機関が集まるロンドン・シティーの取引に支障をきたす可能性が指摘されている。

 また、英国がEUを通じて世界各国と結んでいた関税や通商など多岐にわたる取り決めを2国間ないし多国間の枠組みで交渉し直すことになり、動揺と混乱は相当長引くと予想される。

 EUに懐疑的なポピュリズム(大衆迎合主義)政党が台頭するイタリアなどでは離脱論が盛り上がるだろう。ただ実際に離脱するかは離脱後の英国を見極めてからになるはずだ。英国の離脱が、EU崩壊につながる可能性は低いとみている。(聞き手 平田雄介)

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