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【緯度経度】趙紫陽、生誕100年は黙殺されるのか 藤本欣也

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 習近平国家主席のことだ。ただ、村が16年に作ったという参観案内の冊子には、こう記されていた。

 「趙荘村は傑出した人物ゆかりの地。いつか必ず、国内外の専門家が研究・考察し各界の人々が観光に訪れる革命の景勝地となる」

 村全体で、趙氏の名誉回復を求めているに等しい。

 なぜ、16年に冊子を作ったのか。村の門を建てたのも16年。古老は「たまたまだ」と多くを語らない。

 趙氏と同じように改革派の指導者で、保守派との権力闘争に敗れて失脚したのが胡耀邦元総書記である。失脚から2年後の1989年、病死した胡氏を追悼する動きが天安門事件に発展したのだが、彼の名誉回復の方は進んでいる。

 湖南省瀏陽(りゅうよう)市にある胡氏の生家周辺には記念館や像が建てられ、観光地と化しているのだ。その大半の整備が終わったのが2015年。胡氏生誕100周年の年だった。習政権は100周年の記念座談会も主催している。

 これに対し、民主化運動の弾圧に反対した趙氏の名誉を回復することは、弾圧を決めた改革開放の父、●(=登におおざと)小平への批判につながる極めて敏感な問題である。

 党はこれまで、写真や映像に趙氏の姿があると加工・編集し、存在を消し去ってしまうのが普通だった。

 しかし-。昨年末、訪れた湖南省にある胡氏の記念館でのこと。繰り返し放映されていた胡氏の葬儀映像には、参列する趙氏の姿がそのまま残っていた。

 風向きが変わり始めたのか。貧困脱出の手段が「趙紫陽」以外にない趙荘村の人々は、そこに期待を寄せる。とはいえ、今年は天安門事件30年の節目でもある。習政権は趙氏の生誕100周年を黙殺するのだろうか。

(中国総局長)

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