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【主張】文大統領と北朝鮮 「制裁緩和」軽率に語るな

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 韓国の文在寅大統領の年頭会見で危惧の念を抱いたのは、北朝鮮の非核化をめぐり、文氏があたかも、金正恩朝鮮労働党委員長の代弁者のごとく語っていたことだ。

 金氏が言葉通り、核を廃棄するかどうか懐疑的な見方が強いが、文氏は「(金氏の考えは)国際社会が求める完全な非核化と違いがない」と弁護した。

 さらに、金氏が新年の辞で、南北経済協力事業の再開に意欲を示したことを歓迎し、「課題である制裁の問題」の早期解決に向け、国際社会と協力すると述べた。

 文氏が直視すべきは、北朝鮮の「非核化」が言葉だけで、まるで具体化していないという現実である。対北制裁は国連などが核・弾道ミサイルの廃棄を求めて科したものだ。現段階では緩和を議論すること自体、時期尚早である。

 北朝鮮は過去、非核化を唱えて、石油や食糧などの見返りだけを手にし、約束を破り核開発を続けた。文氏の見立てがどうであっても、慎重を期すのが当然だ。

 トランプ米大統領との米朝首脳による再会談が取り沙汰され、北朝鮮の非核化が進展するかどうか重大な局面を迎えている。

 金氏は新年の辞で、米国が「制裁・圧迫に出るなら新しい道を模索する」とも言った。制裁が効いているとみるべきだ。ぎりぎりまで圧力をかけねばならない。

 日米両国は、英国などに呼びかけ、制裁破りの洋上密輸取引「瀬取り」の監視を強化している。厳格履行の努力を続けるべきだ。

 南北首脳は昨年、いくつもの融和事業で合意し、軍事部門では境界線付近の緊張緩和措置が実現するなどした。だが、経済部門は制裁緩和なしでは進まない。南北の道路・鉄道連結事業は着工式開催までいった。だが、工事に着手すれば、国連決議違反になる。

 南北融和実現のため、制裁を緩和しようというのは筋違いだ。文氏は、国際社会の対北圧力を揺るがす言動を慎んでもらいたい。

 金氏は4度目の訪中を果たし、習近平国家主席と会談して、中朝の結束をアピールした。国連安全保障理事会の常任理事国である中国は、ロシアとともにかねて、対北制裁緩和を主張している。

 北朝鮮を含む6カ国協議の枠組みでかつて非核化に取り組んだ日米韓中露のうち、日米以外が金氏に寄り添う。そんな厳しい現状認識も日本には必要だ。

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