PR

ニュース 国際

【国際情勢分析】クルドはまた裏切られるのか ちらつく“トランプ流ディール”

Messenger
シリア北部マンビジの前線近くに派遣された米軍の装甲車=2018年4月(AP)
シリア北部マンビジの前線近くに派遣された米軍の装甲車=2018年4月(AP)

 トランプ米大統領が昨年12月19日、シリアから米軍を完全撤収させることを表明した。これに最も衝撃を受けたのは、シリアでイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)との戦闘で米軍と共闘してきたクルド人勢力だ。米軍が去れば、トルコが敵視するクルド人勢力への攻撃を強める可能性があるからだ。28年前の湾岸戦争時に独立国家建設の夢を託して米軍に協力し、イラクで武装蜂起したものの裏切られ、フセイン政権に無慈悲に鎮圧されたクルド人がトランプ流「ディール(取引)」でまた犠牲を強いられるのか。(外信部 佐渡勝美)

■2件の「取引」

 「(米軍の撤収は)背中をナイフで刺すような行為であり、多数の殉教者への裏切りに他ならない」

 ロイター通信によると、米軍の支援を受け共闘してきたクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」はトランプ氏の表明を受けて12月20日、これを非難する声明を出した。

 トランプ氏はツイッターでISを打倒したと主張し、米軍シリア駐留の「唯一の理由」がなくなったのが撤退理由だとしたが、このタイミングでの撤退表明はトルコの意向を受けたものであることは明白だ。

 トルコはシリアのクルド人勢力を、自国で分離独立運動を展開する非合法武装組織「クルド労働者党(PKK)」の分派とみなし、米軍が共闘するのは看過できないとしてきた。クルド問題は米トルコ間の重大な懸案事項になっていた。

 米軍撤退表明でその懸案が除かれようとしているが、背景にはトランプ氏とトルコのエルドアン大統領との間で「取引」があったとみられる。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ