PR

ニュース 国際

ウクライナ正教会、正式独立 筆頭権威が文書授与 ロシアは猛反発

Messenger
ウクライナ正教会のロシア正教からの独立を認める文書に署名するコンスタンチノープル総主教庁の総主教、バルトロメオ1世=5日、イスタンブール(AP)
ウクライナ正教会のロシア正教からの独立を認める文書に署名するコンスタンチノープル総主教庁の総主教、バルトロメオ1世=5日、イスタンブール(AP)

 【モスクワ=小野田雄一】キリスト教の最大教派の一つ「東方正教会」の筆頭権威、コンスタンチノープル総主教庁の総主教、バルトロメオ1世は6日、ウクライナ正教会のロシア正教会からの独立を認めるトモス(宗教上の決定文書)を、同総主教庁の所在するトルコ・イスタンブールでウクライナ正教会に授与した。露正教会はトモスは無効だとしており、正教会内部の対立は決定的となった。ウクライナ国内でも、独立に向けて新設された正教会と、露正教会の影響下にある正教会の間の対立が深刻化する恐れがある。

 イタル・タス通信によると、トモスは5日、イスタンブールでバルトロメオ1世が署名。署名に先立つ祈祷(きとう)には、ウクライナの宗教的独立を求めてきたポロシェンコ同国大統領や、昨年12月に新たに創設されたウクライナ正教会のエピファニー総主教らが出席した。

 歴史的経緯から露正教会が管轄権を主張してきたウクライナ正教会は、ソ連崩壊期までに露正教会の管轄権を否定するキエフ系や、露正教会影響下のモスクワ系などに分裂し、互いに自身が正当なウクライナ正教会だと主張してきた。ただし、キエフ系は従来、独立正教会の地位を他の正教会から認められておらず、“非合法的存在”だった。

 しかしコンスタンチノープル総主教庁は昨年10月、キエフ系の正当性を認めると決定。これを受け、キエフ系は12月、新たな正教会組織を創設し、6日、トモスが授与されることになった。

 一方、新組織の正当性を否定するロシア側はトモスに強く反発。露正教会幹部は「今回のトモスには何の効力もない」と述べた。タス通信はギリシャやポーランド、セルビアの正教会は露正教会の立場を支持しているとした。露上院のコサチョフ外交問題委員長も「トモスは宗教的なものではなく、政治的なものだ」との見方を示した。

 実際、ロシア側はトモスについて、3月に大統領選を控えるポロシェンコ氏が、国民の反露感情を刺激し、低迷する支持率を回復させるために主導したなどとの見方を強めている。

 ウクライナ正教会の独立が確定したことで、今後、ウクライナ側がモスクワ系の持つ資産の接収に動くとの観測があるほか、過激な信徒による双方の教会への襲撃などが起きる恐れが指摘されている。2014年のロシアによるウクライナ南部クリミア半島併合後、事実上の戦争状態にある両国の対立のさらなる先鋭化は避けられない情勢だ。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ