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シャナハン米国防長官代行が1日就任 軍歴なく、不安視する声も

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国防長官代行に指名されたパトリック・シャナハン氏(AP)
国防長官代行に指名されたパトリック・シャナハン氏(AP)

 【ワシントン=黒瀬悦成】マティス米国防長官の辞任表明を受けてトランプ大統領から国防長官代行に指名されたパトリック・シャナハン氏が1月1日に正式就任する。上院の承認を必要としない暫定的な役職だが、トランプ氏は「シャナハン氏は長く職にとどまるかもしれない」と述べ、正式な後任の選定を急がない考えを示しており、同氏は当面、シリアからの米軍全面撤収など数々の重責を担うことになりそうだ。

 シャナハン氏はマサチューセッツ工科大で理学と経営学の修士号を取得し、1986年に航空宇宙大手ボーイングに入社。ミサイル防衛システム関連の副社長や上級副社長(製造・供給戦略担当)などを経て、2017年7月に副長官に就任。それまで軍歴や外交・安全保障政策関連の職務経験はなく、副長官としても主に省内改革や予算管理を担当し軍事政策には関与しておらず、一部では「代行とはいえ米軍全体を統括する長官の職が務まるのか」と不安視する声もある。

 当初は2月末にマティス氏と交代予定だったのをトランプ氏が1月1日に前倒ししたのは、3日から開会する下院が民主党主導の新議会でトランプ政権の安全保障政策を説明するに際し、シリア政策で同氏に反旗を翻したマティス氏ではなく、トランプ氏との関係が良好なシャナハン氏を送り込む狙いもあった。

 ただ、懸案のシリア撤収をめぐっては、撤収の完了時期や、米軍主導でイスラム教スンニは過激組織「イスラム国」(IS)に対して行われている空爆を今後はどのように実施していくかなど、詰め切れていない問題が山積する。これまで米軍が支援してきたクルド人勢力について、同勢力を敵視するトルコから今後はどう保護していくかも難しい課題となる。

 一方、北朝鮮の核問題に関しては、トランプ氏が12月24日、新年早々にも見込まれる2度目の米朝首脳会談に向け「前進があった」と強調。しかし、元米政府高官などの間では、米朝交渉に具体的進展がみられない中で米韓の大規模合同軍事演習が相次ぎ中止され、米軍の即応能力が確実に低下しつつあるとして危機感が強まっている。

 シャナハン氏としては中国の覇権的海洋進出による脅威もにらみ、日米同盟を軸に北東アジア地域での「同盟強化」の再確認を急ぐことになりそうだ。

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