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【主張】中国の改革40年 国際秩序への挑戦やめよ

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 法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を、自国に都合よく作り替えようとする中国の強気な姿勢を、1978年に誰が想像できたろう。

 中国の改革開放40年に当たり、習近平国家主席が行った記念演説に、その思いを禁じ得ない。

 トウ小平時代に始まった改革開放は、計画経済と鎖国主義に終止符を打った。日米など西側諸国は中国と連携することで旧ソ連への対抗を図った。

 日本は巨額の対中政府開発援助(ODA)を供与した。米国は中国を友好国として遇した。世界貿易機関(WTO)加盟を認めるなど国際社会に迎え入れ、中国は世界第2位の経済大国となった。

 これら対中関与(エンゲージメント)政策には、豊かになれば中国も法の支配や人権、民主を尊重するようになるとの期待が込められていた。

 だが、それは裏切られた。

 演説で習氏は、「覇権主義と強権政治に反対する」として、名指し同然で米国を非難した。

 これは習氏に投げかけられるべき言葉ではないのか。中国は国際法を無視して南シナ海の人工島の軍事拠点化を進めている。少数民族のウイグル人らへの弾圧やデジタル機器を使った監視国家化は人権や自由を踏みにじっている。

 習氏は、中国こそ「国際秩序の擁護者」だと語った。自由貿易の守護者を気取っても、本当の姿は保護貿易の実践者である。

 米国は、中国当局や企業による知的財産、重要情報の窃取、中国進出企業への技術移転の強要、不当な産業補助金などを問題視している。だが、習氏に本気で是正する姿勢は見当たらない。

 中国共産党の指導的地位を至上と位置付け、「富国」と世界一流の軍隊をめざす「強軍」の統合が中国のパワーを支えると習氏は強調した。改革開放の継続を唱えていても、これではまるで一党独裁の下で国際秩序への挑戦を続ける宣言だ。その先に中国の明るい未来はないだろう。

 89年の天安門事件は対中政策を抜本的に見直す機会だったが、当時の日米両政府は制裁で押し切るよりも関与の再開を選んだ。その結果が今の強権大国である。

 関与政策を繰り返しても事態は悪化するだけだ。日本は、米国と協調して、中国による国際秩序への挑戦を押さえ込むよう努力しなければならない。

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