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米軍のシリア撤退 ロシアやイランが影響力拡大も

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シリア北部マンビジュの前線近くに派遣された米軍の装甲車(AP)
シリア北部マンビジュの前線近くに派遣された米軍の装甲車(AP)

 【カイロ=佐藤貴生】トランプ米政権がシリアからの米軍撤退を表明したことで、アサド政権を支えるロシアやイランのほか、反体制派を支援するトルコのシリアへの影響力が強まりそうだ。アサド政権の当面の存続はもはや確実で、シリアの隣国で米の同盟国イスラエルがどう動くかも見通せず、撤退は中東の不安定化の一因となる可能性がある。

 トルコのエルドアン大統領は20日、首都アンカラでイランのロウハニ大統領と会談し、共同記者会見では「米の対イラン制裁は地域の不安定化につながるので認めない」と述べ、友好関係を強調した。

 ロシアのプーチン大統領は20日、年末恒例の大規模記者会見で「そもそも米軍のシリア駐留には合法性も国連決議のお墨付きもない。シリア政府から招かれているロシア軍とは違う。撤退は正しい決断だ」と述べ、米の撤退表明を歓迎する意向を示した。

 米軍はシリア北東部に約2千人が駐留し、小規模とはいえにらみを利かせ、米国の存在感を示してきた。

 米軍は過激組織「イスラム国」(IS)掃討作戦以降、シリアの少数民族クルド人勢力主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)を支援。一方、トルコはクルド人民兵は独立を目指す自国内の非合法武装組織「クルド労働者党」(PKK)と一体だとして越境して攻撃し、米政府を批判してきた。駐留米軍はトルコとSDFの間で戦闘の激化を抑制する役割を担っていた面もあるだけに、トルコのシリアに対する越境攻撃が激化する懸念もある。

 また、イスラエルのネタニヤフ首相は20日、「シリアに根を張ろうとするイランの行動には、攻撃的に対応し続ける」と述べた。

 イスラエルは敵視するイランがシリア国内に軍事拠点を有しているとして、しばしば空爆を行っており、イスラエルとイランの確執がシリアを舞台に再燃する事態も否定できない。

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