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マレーシア汚職、米金融大手に飛び火 元行員ら3人起訴

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 【ワシントン=塩原永久、シンガポール=吉村英輝】マレーシアの政府系ファンド「1MDB」を舞台にしたナジブ前首相の資金流用事件が、米金融大手ゴールドマン・サックス(GS)に飛び火した。米連邦検察は今月初め、同事件に関与したとして、GSの元行員ら3人を起訴。20年前のアジア通貨危機で米国の投機筋とにらみ合ったマハティール首相は、「マレーシアはだまされた」とGSにも怒りの矛先を向ける。

 「GSの歴史で最悪の危機のひとつだ」。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT、電子版)は、米司法当局によるGS元社員起訴の深刻さを指摘。ライバルの米金融大手モルガン・スタンレーは21日、「問題解決にどれほど時間がかかり、罰金や罰則がどうなるかもわからない」として、GSの格下げを発表した。

 海外腐敗行為防止法(FCPA)の罪などで起訴されたのは、GS元東南アジア地域責任者のティム・ライスナー被告、GS元幹部のロジャー・ウン被告に加え、ナジブ氏と関係が深く逃亡中の華人実業家ロー・テックジョー(通称ジョー・ロー)被告の計3人。

 米司法省によると、GSは2012年から13年、1MDBによる60億ドル超の社債発行で主幹事を獲得。6億ドルの高額手数料を得た。3人は27億ドルを不正流用。使途はマレーシア首脳周辺への賄賂や、ニューヨークの高級不動産取得や美術品の購入に充てられたほか、金融詐欺を扱った映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の製作費にも流れ込んでいた、とされる。

 今後の焦点となるのは、GSが事件にどこまで組織的に関与していたかだ。

 司法省によると、1MDBの社債発行案件は、GS内で「マグノリア計画」などのコード名で呼ばれ、事件の「黒幕」とされるロー被告や、ライスナー被告は、1MDBが調達した資金をペーパーカンパニーに移し替えて工作し、賄賂などに流用。米メディアによると、ライスナー被告はGS社内で不正取引などに目を光らせる内部管理部門に虚偽の報告を重ね、不正発覚からすり抜けていた。

 FTによると、GSのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は社員向けに、事件に関与した元行員らを「非難に値する」と遺憾を表明。ソロモン氏は助言・投資銀行部門出身だが、債券・デリバティブ部門出身でロー被告との面会が指摘されるロイド・ブランクファイン前CEOも関与していたとなれば、GSの信用失墜は免れない。

 マハティール氏は、マレーシアを東南アジアでの収益の柱と位置づけてきたGSを国内から排除する可能性も指摘。一方、1MDB事件で名前が出た中東アブダビの政府系投資会社は、汚職で損害を受けたとして、事件の「中心的な役割」を担ったとしてGSを提訴するなど、波紋は広がり続けている。

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