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国民党で総統選候補争いが幕開け 地方選大勝で政権奪還に現実味

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7月、台北の国民党本部で、地方選の候補者らと気勢を上げる呉敦義主席(田中靖人撮影)
7月、台北の国民党本部で、地方選の候補者らと気勢を上げる呉敦義主席(田中靖人撮影)

 【台北=田中靖人】24日投開票の台湾の統一地方選で大勝した野党、中国国民党で、早くも約1年後の総統選の候補者選びに関心が集まっている。呉敦義(ごとんぎ)主席(70)、前回選で苦杯をなめた朱立倫(しゅりつりん)新北市長(57)、馬英九前総統(68)の「3つの太陽」が有力視されるほか、高雄市長に当選した韓国瑜(かんこくゆ)氏(61)が生んだ「韓流」の余勢を駆って、世代交代を求める声もある。政権奪還に現実味が増したことで、候補者争いも激しさを増しそうだ。

 「呉主席、総統選に出馬を」

 大勝が固まった24日夜、党本部に姿を表した呉氏に、支持者数人が大声で呼びかけた。呉氏は両手を挙げて制止し、候補者選定は「公平な制度が必要だ」と諭すように語った。記者団に「その制度に参加するのか」と問われると、「まだ頭が回らない」とはぐらかした。

 呉氏は馬政権で行政院長(首相に相当)と副総統を務めたベテラン。2016年の前回選でも出馬が取りざたされたが固辞し、政権転落の衝撃のほとぼりが冷めた昨年8月に党主席に就任した。「18年(の地方選勝利)がなければ20年(の政権奪還)はない」と訴え、裏方で支えた。

 今回の大勝で党は政権奪還に近づき、総統候補の最右翼に躍り出るはずだが、世論の評価は必ずしも高くない。地方選では失言で党内からも批判された。台湾出身の本省人で、中国共産党から冷遇されているとの見方もある。

 朱氏は12月下旬に市長の任期満了を迎え、満を持しての“参戦”となる。7月には地元紙の単独取材に「民衆の私への期待は分かっている」と意欲を示した。前回選では、いったん不出馬を宣言。だが、党主席(当時)として不人気の候補者を降ろして自ら出馬せざるを得ず、民主進歩党の蔡英文主席(同)に大敗する失態を演じた。今回は後継に指名した市長候補が民進党候補に大勝し、みそぎを果たした格好だ。

 馬氏は2年前の政権転落の原因を作った張本人だが、地方選で積極的に候補者の応援に回り、人気の回復を示した。今年7月に「馬英九文教基金会」を設立。鴻海精密工業の郭台銘(かくたいめい)董事長(会長)も後援者に名を連ね、総統選出馬の準備かと憶測を呼んだ。

 馬氏は今月7日、中国の習近平国家主席(共産党総書記)との首脳会談から3年の記念講演で、中国との「統一を排除しない」と述べ、総統在任中の「統一しない」との方針から中国寄りに舵を切った。民進党関係者は「習氏との再会談を狙っている」と見る。

 国民党寄りの聯合報は地方選の投票翌朝25日付で、党内予備選に向け「『太陽の争い』が幕開けする」と指摘し、結果は「予測できない」とした。その一方、無党派層に支持を広げた「韓流」を受け、「老人は退くべきだ」と世代交代を求める立法委員(国会議員)の声を紹介した。

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