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【国際情勢分析】独立選ばなかったニューカレドニア 中国の南洋進出に「待った」

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4日、ニューカレドニアの政庁所在地、ヌメアで独立の是非を問う住民投票を行う有権者ら(AP)
4日、ニューカレドニアの政庁所在地、ヌメアで独立の是非を問う住民投票を行う有権者ら(AP)

 南太平洋のフランス特別自治体ニューカレドニアは4日、住民投票でフランスから独立しない道を選んだ。独立すれば、太平洋で影響力を拡大する中国の干渉を招く恐れが指摘されていた。中国の海洋覇権の拡大を警戒するフランス政府はひとまず胸をなでおろした形だ。だが、住民投票が再度実施される可能性もあり、ニューカレドニアが独立に向けて方針転換することが懸念されている。

 「過半数の住民がフランスを選んだことを国家元首として誇りに思う」。フランスのマクロン大統領は4日、住民投票の結果を受けたテレビ演説でそう述べた。フランスは1853年、ニューカレドニアを併合。ニューカレドニアの先住民、カナクらが長年、独立を求める一方、欧州系住民らは現状維持を主張していた。今回の投票でフランスは公式には結果を尊重するとの中立の立場だったものの、専門家は「フランス政府は本音では残留を強く望んでいた」と指摘する。実際に、マクロン氏が今年5月にニューカレドニアの政庁所在地、ヌメアを訪れた際、「(フランスは)ニューカレドニアなしでは輝けないだろう」と漏らした。

 マクロン政権がニューカレドニアを離したくなかった背景には、太平洋地域での中国の覇権構築の脅威がある。中国政府は近年、英仏共同統治から1980年に独立した南太平洋の島国バヌアツと官邸や政府施設の建設協力などで関係を深めている。近畿大国際学部の畝川(せがわ)憲之教授は「電子機器産業に不可欠なニッケル鉱の世界有数の生産地でもあるニューカレドニアが独立すれば、中国はバヌアツなどのように援助攻勢をかけて影響下に組み込もうする可能性が高い」と分析する。今年3月にニューデリーを訪れたマクロン氏は「インド洋や太平洋で覇権はあってはならない」と述べ、中国の海洋進出を暗に牽制していた。

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