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板門店突破の元北兵士「世襲の体制、無理に神格化」

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 経済の悪化は指導者の求心力低下につながることから、首都平壌では繁栄を強調するためにマンションや娯楽施設などの建設が進むが、「基本的に生活は各自でどうにかする。取り締まり機関員など権力者は市民の違反を見逃して小遣いを得ていた」と語った。

 越境当日の行動については、勤務域外で友人とトラブルになり飲酒。車でJSAに戻る途中、検問所を突破してしまい、戻れば処刑される恐れがあったため越境したが、後悔はないという。トラブルの内容については口を閉ざした。

脱北理由「飢え」半数

 北朝鮮を逃れて韓国に住む脱北者は現在、3万人を超える。韓国メディアによると、北朝鮮の住民が越境する目的として、「飢え」を挙げた人が「単純な体制への不満」の約6倍に上るとの調査結果がある。

 調査は韓国の情報機関・国家情報院が国会議員に開示したもので、過去10年間に北朝鮮から韓国に入った住民約1万7千人を対象に調べたところ、約50%が1日に1食も食べられない貧困からの脱出を挙げた。体制に対する嫌悪を挙げたのは約7・6%だった。

 調査結果は、自国民に最低限の生活を保障せず、核・ミサイルの開発に巨費を投じてきた北朝鮮政権のゆがんだ統治観を浮かび上がらせる。また、北朝鮮に融和的な文在寅(ムン・ジェイン)政権の出現で、反北朝鮮の政治的活動をしてきた脱北者が圧力を感じたり、北朝鮮出身の記者が排除されたりするケースなども問題化している。

 韓国で人材ビジネスを成功させた脱北者の男性は「仕事などで問題になることが面倒で政治的に無関心を装ったり、そもそも北朝鮮に関心を向けない脱北者も増えている」と指摘。南北の急激な融和で、脱北者社会は政治、経済的に揺さぶられ、困惑が広がる。 (加藤達也)

呉青成氏の越境前後の北朝鮮情勢
呉青成氏の越境前後の北朝鮮情勢

 ■板門店北朝鮮兵士亡命 2017年11月13日午後3時ごろ、朝鮮半島の軍事境界線がある板門店で、北朝鮮軍下士官の呉青成(オ・チョンソン)氏が、共同警備区域(JSA)北側の警戒監視所近くから韓国側の「自由の家」へ向け逃走。越境直後に公開された映像では、呉氏が車を高速で運転し、車を降りて走り出した後、背後から北朝鮮兵の銃撃を受ける様子が写っていた。韓国軍の発表では北側は呉氏に約40発を発砲。うち5発が命中し、呉氏は一時、重篤な状態となった。

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