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板門店突破の元北兵士「世襲の体制、無理に神格化」

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インタビューに応じる、オ・チョンソン氏=都内(松本健吾撮影)
インタビューに応じる、オ・チョンソン氏=都内(松本健吾撮影)

 【産経単独インタビュー】

 韓国と北朝鮮の軍事境界線がある板門店(パンムンジョム)の共同警備区域(JSA)で昨年11月、韓国側へ越境して銃撃され、重傷を負った元北朝鮮兵士が東京都内で産経新聞の単独インタビューに応じ、金正恩(キム・ジョンウン)体制について「世襲の指導者を無理に神格化している」などと証言した。元兵士がメディアの取材を受けるのは韓国も含めて初めて。証言からは最高指導者への求心力の低下が潜在的に進む北朝鮮の姿が浮かび上がった。

「軍支給、たばこ1本分しか」

 脱北した元兵士は呉青成(オ・チョンソン)氏(25)。韓国入国後、別の氏名や生年月日を与えられているが、日本の公安当局は呉氏本人と確認している。越境した際に腹部や腕などを北朝鮮兵士らに撃たれたものの、今年2月に退院。現在はソウル市近郊から同市内に通勤する一方、治療を続けている。

 昨年、北朝鮮は対外的に核・ミサイルの挑発で米国との対決姿勢を鮮明にしていた。呉氏は「北内部では若い世代を中心に他者や政治、指導者への無関心が広がり忠誠心もない。自分も正恩氏に関心がなかった」と指摘。その理由を「体制が国民を食わせていければ拍手をするが、何一つ施さないからだ」と強調した。

 核・ミサイル開発問題をめぐって昨年に米朝関係が緊迫した際、「本当に米国と戦争すると感じた」と証言する一方で、「緊張感は上の方から与えられる面があり、実際には高まったり、緩んだりしていた」とも話した。

 呉氏は2010年に入隊し、越境当時は中級下士官で、上官の専属ドライバーとしてJSAに勤務。父親は少将で、衣食住や軍歴も恵まれた方だったという。ただ、配給や給料など国家の生活保障は完全に破綻。「自分は軍から北の通貨で月に125ウォンが支給されていたが、たばこ1本しか買えない。父はたばこ2箱分だった」という。

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