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【主張】米中間選挙 同盟国重視の本道に返れ 日本は対中新冷戦に備えよ

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 米中間選挙で、トランプ大統領の共和党は、上院で過半数を維持したものの、下院では対立する民主党が多数派を奪還した。

 世論の対立と分断をあおるようなトランプ氏の過激な言動が、幅広い反発を呼んだ。今までのような対決一辺倒の議会対策では立ちゆかないのは明白だ。

 下院で少数派になった現実を素直に受け止め、トランプ氏はこれまでより、政策遂行で民主党と丁寧な調整が求められよう。

 留意すべきは、トランプ政権が議会の拘束を受けない外交・安全保障の動きを活発化させるであろうということだ。

 ≪非核化へ圧力が重要だ≫

 民主党を相手にした内向きの選挙は終わった。

 今後トランプ氏はより広い視野での成果を求めてほしい。

 対中国、対北朝鮮、対ロシアで本腰を入れるだろう。それは同盟国の安全保障に直結する。日本はトランプ政権と密接に意思疎通を図り、連携し、補完する行動を取るべきだ。

 最も重要なのは、不公正な貿易慣行や知的財産侵害を改めず、覇権主義的な海洋進出を展開する中国にいかに対抗していくかだ。

 ペンス副大統領は10月に行った演説で、南シナ海の軍事拠点化をはじめ、世論操作を通じた米国への内政干渉、相手国を「債務の罠(わな)」に陥れるインフラ融資などを挙げ、中国を厳しく批判した。

 米中はすでに、互いに制裁関税を発動する「貿易戦争」を繰り広げているが、米国が安全保障を含む、「新冷戦」を宣言した形である。ペンス氏は「大統領は屈しない」とも述べた。

 トランプ氏は11月30日からアルゼンチンで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議の機会に、中国の習近平国家主席と会談する予定だ。両国の接触を注意深く見守る必要がある。

 北朝鮮の非核化も重要だ。金正恩朝鮮労働党委員長が選挙の行方を注視していたはずだ。

 トランプ氏は6月、史上初めての米朝首脳会談を実現させた。その後、北朝鮮は核実験や弾道ミサイル発射を実施していない。

 中間選挙が終わり、これらの成果や対話の継続をことさら、強調する必要はなくなった。

 重要なのは、北朝鮮に核と弾道ミサイルを放棄させることだ。軍事的圧力の復活も含め、大胆な手法で取り組んでもらいたい。

 ロシアも中国同様、現状変更を試みる不安定要因だ。

 トランプ氏は旧ソ連との間で結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄を表明している。プーチン大統領との米露首脳会談もG20の機会に予定される。

 隣国を侵すなど国際秩序を破壊し、国内では反体制派を弾圧するなど、プーチン政権の身勝手な振る舞いも目に余る。毅然(きぜん)とした態度で向き合ってもらいたい。

 ≪ペンス氏と戦略調整を≫

 トランプ氏は「米国第一」を掲げ、国際協調に背を向けたが、その姿勢は中間選挙を経ても変わるまい。通商問題では、同盟関係にある日本や欧州諸国まで攻撃するだろう。

 だが、中国と対峙(たいじ)するとき、孤立主義のままでいいのか。法の支配や民主主義といった価値観を共有する同盟国との協力が必要であり、それを分からせるのが日本の役割でもあるはずだ。

 安倍晋三首相は10月下旬の訪中で習氏らと会談し、経済や安全保障を含む幅広い分野での協力強化を確認した。

 この中には、「一帯一路」を視野に入れた第三国でのインフラ開発協力も含まれる。それが、米国の警戒する中国の膨張主義を手助けすることにならないか。

 中国の対日接近は、米国との対立先鋭化が背後にある。中国の覇権主義に反対するという日本の立場を忘れてはなるまい。

 今月中旬、ペンス氏が来日し、安倍首相と会談する予定だ。中間選挙を終え内政、外交方針を立て直すトランプ政権と安保戦略をすり合わせなければならない。

 北朝鮮による日本人拉致問題もある。日米両国が同じ方向を目指すよう、同盟関係をさらに強固にしてほしい。

 両氏はその後、シンガポールとパプアニューギニアで相次いで開催される2つの首脳会議に出席する。G20も含めた首脳外交を、日米連携を改めて強く打ち出す場としてもらいたい。

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