PR

ニュース 国際

【国際情勢分析】スリランカ「親中」前大統領が復権 中国、影響再拡大へ虎視眈々

10月29日、スリランカ・コロンボで手を合わせる首相に任命されたラジャパクサ元大統領。職務引き継ぎの行事に臨んだ(ロイター)
Messenger

 インド洋の島国スリランカで、政界の混乱が深まっている。シリセナ大統領が対立していたウィクラマシンハ首相を更迭し、親中派のラジャパクサ前大統領を後任に据えたのだ。中国は早速、首相就任に祝意を伝達。インドも事態を注視する。中印が主導権を争うインド洋地域のパワーバランスにも影響を与えかねない事態だ。(ニューデリー 森浩)

■「独裁大統領」打倒で結集

 「ラジャパクサとその一族、側近は貧しい者を犠牲にして繁栄し、特権を得てきた」

 この言葉は、誰あろう15年1月の大統領選でのシリセナ氏自身の言葉だ。シリセナ氏は与党スリランカ自由党の幹事長だったが、独裁的な手法が嫌気されていた現職のラジャパクサ氏に対して反旗を翻し、大統領選に出馬した。

 シリセナ氏は選挙戦でラジャパクサ氏が親族を経済開発相や国防次官、国会議長に据えたことを攻撃。中国への過度の傾斜も批判した。事実上の一騎打ちとなった選挙戦は大混戦となったが、勝利を収めたのはシリセナ氏だった。ウィクラマシンハ氏率いる統一国民党がシリセナ氏を支援したことが勝敗を決定づけた。

 シリセナ氏は「新しい時代の始まりだ」と高らかに宣言。統一国民党と連立政権を樹立し、ウィクラマシンハ氏を首相に任命した。

 シリセナ氏は欧米や日印とのバランス外交を掲げ、前政権が推進した中国傾斜にブレーキをかけた。就任早々、最大都市コロンボ沖合で中国の支援で進んでいた埋め立て開発計画の中断を決定している。

 15年2月には初の外遊先にインドを選択。「親中独裁」政権が倒れ、スリランカでは親中の色が薄まっていくかと思われた。

■対立する政権与党、力を蓄えたラジャパクサ氏

 だが、シリセナ氏とウィクラマシンハ氏の間に、すきま風が吹くのに時間はかからなかった。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ