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「トランプ流の行方」(上)対中貿易戦争、先鋭化へ 

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 雇用や消費の拡大など経済が好調な中、関税が有権者に「痛み」として実感される前に迎えた中間選挙で、通商摩擦が重要争点となる機会は少なかった。

 むしろ、中国の報復関税で打撃を受ける農業が盛んな中西部の一部では、討論会で与野党候補が中国に対抗する関税発動に一様に賛同を表明。共和党を支持するアイオワ州の農業経営者は「対中関税は、米国の農業が立ち直るのに必要な痛みだ」と政権に同調するなど、トランプ氏の対中強硬姿勢は中間選挙の戦略としては明確に功を奏した。

 とはいえ、トランプ氏が問題視する対中貿易赤字は増大が止まらない。9月の物品関連の対中赤字は前月比4・3%増の402億ドルと過去最大を更新した。

 月末に南米ブエノスアイレスで予定される米中首脳会談では、貿易戦争の打開策について話し合われる見通しだが、「冷戦」に突入した米中関係の改善の兆候は現時点で全くない。

 米国が財政赤字と貿易赤字の「双子の赤字」に苦しむ中、国際通貨基金(IMF)元高官のデズモンド・ラックマン氏は「米中の対立が為替政策に及ぶのは避け難い」と述べ、対中貿易戦争が為替戦争に発展する恐れを警告する。

 人民元の一段の下落が引き金となって米国がドル安誘導に走り、一気に不均衡是正を図る-というシナリオが現実化すれば、世界経済への打撃が格段に大きくなるのは避けられそうにない。(ワシントン 黒瀬悦成、塩原永久)

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