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【風を読む】習近平主席に「忠告」する 論説副委員長・榊原智

会談を前に握手する安倍晋三首相(左)と中国の習近平国家主席=26日、北京の釣魚台国賓館(代表撮影・共同)
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 中国の習近平国家主席は、見当違いの外交をしている。習氏がただちに取り組むべきは対米関係の改善だ。さもなければ、中国共産党政権はソ連のように亡ぶのではないか。

 習氏が、安倍晋三首相の訪中で「日本を取り込めた」と安堵(あんど)していれば、の話である。

 日中両首脳は第三国でのインフラ開発協力で一致した。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への日本の協力を意味する。

 「一帯一路」は軍事、経済両面で勢力圏を広げようという中国の戦略だ。安倍首相は透明性の確保などの条件を付けたが、中国の覇権戦略への協力の毒消しにはならない。

 日本は世界で信用がある。中国は「日本も協力するのだから『一帯一路』を推進しよう」と各国で宣伝を始めるだろう。

 安倍首相の訪中は、中国が大きな利益を得たかのようにみえる。だが、日中の改善は、かりそめの関係に終わる。

 日本はいずれ、企業などが対中融和のツケを払うことになるが焼け死ぬことはないだろう。対日融和にかまけて対米関係改善を怠り、生死の境に踏み込むのは中国共産党政権のほうだ。

 習政権は軍拡を進め、南シナ海などで「力による現状変更」を図っている。IT技術で世界で類を見ない監視国家を築き、少数民族弾圧も含め多くの人々の人権を損なっている。知的財産の侵害を改めないなど、自由貿易体制を傷つけている。

 これらを米国が問題視している。10月4日のペンス米副大統領演説は、米政府が総力を挙げて作った「米中新冷戦の宣戦布告」である。

 安全保障の基軸を日米同盟に置く日本は、米中を天秤(てんびん)にかける立場にない。しかも、ペンス演説の内容はいちいちもっともだ。日本は早晩、米国の真意を悟り、与(くみ)するだろう。習氏は、日本の親中派が弱腰で頼りにならないことを知らないのか。

 習氏が城下の盟(ちかい)を避けたいなら、そして人民のためを思うなら、トランプ大統領の下へ駆け込み叩頭(こうとう)するしかない。ペンス演説の全ての要求をのんでも、中国は大国でいられるはずだ。

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