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【主張】ブラジル新大統領 異色の政権に柔軟対応を

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 ブラジル大統領選は、過激な発言で「ブラジルのトランプ」と呼ばれるボルソナロ下院議員が、決選投票で左派・労働党のアダジ元教育相を破り、当選した。

 政治家の汚職が蔓延(まんえん)するブラジルで、弱小政党を渡り歩いたボルソナロ氏は権力と無縁で、汚職疑惑がない。徹底した汚職体質批判が、既成政治に嫌気が差した有権者の心をつかんだ。

 トランプ米政権の登場以来、既成政治の否定が、世界の潮流となった。メキシコでも二大政党以外の政権が初めて誕生する。

 日本外交にも、従来にない柔軟なアプローチが求められていると認識すべきだ。

 ボルソナロ氏を含め、これら政治指導者は、有権者に心地よい言葉を投げかけ、ポピュリスト(大衆迎合政治家)とくくられる。

 だが、志向するところは右派であったり、左派であったり、千差万別で、既成の枠組みに縛られない分、行動も予測し難い。

 ボルソナロ氏は「極右」とも称されるが、どこがそうなのか。まずは、その人物、考え方を冷静に見極める必要がある。

 日本としても注文すべき点は躊躇(ちゅうちょ)せず伝え、その上で、良好な関係構築を図るべきだ。

 ブラジルは、中国、ロシアとともに新興5カ国(BRICS)の一角を占める、中南米きっての大国である。

 要は、法の支配や民主主義、市場経済といった普遍的価値観の下、日本や米国と協調できるかどうかだ。

 2003~10年、労働党政権を率いたルラ元大統領は汚職事件で有罪判決を受け服役中で、16年、後継のルセフ大統領(当時)は弾劾裁判で罷免された。

 汚職スキャンダルは与野党を問わず、ブラジル政界全体を覆っている。汚職の一掃こそが、ボルソナロ氏への期待に他ならない。

 ルラ政権期には、資源価格高騰に伴う経済成長でばらまき政策も広がった。財政健全化などを掲げる経済政策は現実的だ。

 ただし、女性や黒人、同性愛者らへの差別的発言は容認できるものではない。ブラジルでは殺人件数が年間6万件を超えるなど、治安対策が重大課題だが、「銃携行許可」では対策にならない。問題となった「過激発言」は来年1月の就任を前に何らかの区切りをつけておくべきだろう。

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