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ブラジル大統領選 右派のボルソナロ氏が初当選

 28日、ブラジル・リオデジャネイロの投票所で、ポーズを取るボルソナロ下院議員(右)と妻(ロイター)
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 【サンパウロ=住井亨介】南米ブラジルで28日、現職テメル氏の任期満了に伴う大統領選の決選投票が実施され、即日開票の結果、ポピュリスト(大衆迎合)的な姿勢と過激な発言で「ブラジルのトランプ」と呼ばれる右派のジャイル・ボルソナロ下院議員(63)が、左派のフェルナンド・アダジ元サンパウロ市長(55)を破り、初当選した。「ブラジル最優先」を掲げて既成政治への不満を取り込んだ。市場開放や財政再建に期待が高まる一方、強権的な政治姿勢に懸念が出ている。任期は来年1月1日から4年。

 中国、ロシアなどと構成する新興5カ国(BRICS)の一角にポピュリストとされる指導者が誕生することになり、これまでブラジルが重視してきた多国間関係に影響が出そうだ。

 ボルソナロ氏は「われわれの目的はみなさんと同じだ。ブラジルを繁栄させ、自由な国にすることだ。ブラジルを縛っている縄を解こう。ブラジルの繁栄のため種をまこう」と勝利宣言。選挙戦で二分された世論を意識して「ブラジルを一つにしよう」と和解を呼びかけた。

 選挙管理当局によると、開票率99・99%での得票率はボルソナロ氏が55・13%、アダジ氏が44・87%。

 既成主要政党による汚職が相次いだ中、ボルソナロ氏は、新興小政党の社会自由党(PSL)に所属して汚職疑惑がないことが好感された。元軍人で過去の軍事政権を称賛しており、刑法の強化や国民の銃所有、元軍人の閣僚登用などによる治安の回復を提唱。市場開放や国営企業の民営化など構造改革の推進を主張して、既成政治に閉塞(へいそく)感を感じる経済界や富裕・中間層から支持を集めた。

 一方でソーシャルメディアを通じた攻撃的な態度や、女性、黒人、性的少数者への相次ぐ差別発言に国民の反感は根強く、選挙を通じて生じた分断の解消が課題となる。

 収賄罪で収監され立候補できなかった左派労働党(PT)の元大統領、ルラ被告の代替候補として出馬したアダジ氏は、補助金拡大などバラマキ的政策でルラ被告の人気が高い低所得層の支持を期待したが伸びず、同党の汚職イメージも響いた。

 ジャイル・ボルソナロ氏 1955年3月21日、サンパウロ州カンピーナス市生まれ。陸軍幼年学校をへて陸軍士官学校を卒業。砲兵部隊やパラシュート部隊に所属した。在籍中に軍の低賃金を批判する記事を雑誌に掲載し、処分を受けたこともある。88年に陸軍大尉を最後に政治家へ転身し、リオデジャネイロ市議に初当選した。90年には連邦下院議員に初当選して国政に進出し、議員歴は連続7期約27年間にわたる。これまで9つの中小政党を渡り歩いた。3回の結婚を経験し、最初の妻との間の息子3人はいずれも政治家で、連邦議員などを務めている。

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