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【ロシアを読む】ウクライナ正教会、「盟主」ロシアから独立 東方正教会に分裂危機

今年8月、トルコのイスタンブールでコンスタンチノープル総主教のバルトロメオ1世(右)と会談したロシア正教会のキリル総主教。キリル総主教はウクライナ正教会のロシア正教会からの独立は認められないという立場を伝えた(AP)
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 キリスト教の三大教派の一つ「東方正教会」の権威を代表するコンスタンチノープル総主教庁は11日、トルコ・イスタンブールで主教会議(シノド)を開き、ウクライナ正教会に対するロシア正教会の管轄権を認めないとする決定を行った。イタルタス通信などが伝えた。ウクライナ正教会が求めていた露正教会からの独立が事実上、認められた格好だ。“正教会の盟主”を自任してきた露正教会は強く反発。露正教会にとって、下部組織と位置付けてきたウクライナ正教会の独立は権威や求心力の低下を招きかねないばかりか、自身の正当性さえ揺るがしかねない事態だ。正教会が分裂する恐れもあり、影響は広範囲に及ぶ可能性が指摘されている。(モスクワ 小野田雄一)

クリミア危機が契機に

 露正教会は17世紀、ウクライナ正教会(中心はウクライナの首都キエフ)を下部組織とする決定を行い、以後、人事などの管轄権を持つと主張してきた。

 ウクライナ正教会は旧ソ連崩壊期までに、露正教会の権威を認めるモスクワ系と、立場を異にするキエフ系などに分裂。ウクライナ国内で最大の信徒数を持つキエフ系は、ウクライナ正教会の独立を主張したものの、露正教会に阻まれてきた。また、露正教会がモスクワ系だけを承認してきた経緯もあり、キエフ系は他国の正教会から承認されていなかった。

 しかし、2014年のロシアによるウクライナへの軍事介入を機に、ウクライナでは正教会独立の機運が決定的に高まった。今年4月には、反露路線を取るポロシェンコ大統領が、コンスタンチノープル総主教のバルトロメオ1世にウクライナ正教会の独立の承認を訴える嘆願書を提出した。

 これに対し、露正教会のキリル総主教も8月31日、バルトロメオ1世と会談。キリル総主教は「ウクライナ正教会は露正教会の管轄下にある以上、コンスタンチノープルにウクライナを独立させる権限はない」とする立場を伝えていた。

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