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トルコ、対米改善に期待 牧師解放 通貨安で打撃、シリアなど協調不明

トルコの自宅に戻ったブランソン牧師=7月(ロイター)
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 トルコで米国人のブランソン牧師が解放された背景には、経済低迷に苦しむトルコのエルドアン政権が、米国との関係改善に期待を寄せている事情がありそうだ。ただ、両国間には他にも対立する問題が多く、北大西洋条約機構(NATO)に加盟する両国の全面的和解にはまだハードルがある。

 トルコの通貨リラは年初に比べ、対ドルで一時40%も下落。トランプ米政権が8月、トルコから輸入する鉄鋼などの関税を大幅に引き上げる制裁を発動し、リラ急落に追い打ちをかけた。両国関係の改善を市場が好感し、リラが当面安定するシナリオも出てきた。

 ただ、内戦の続くシリアをめぐっては、協調を見通せない。

 トルコは国境を接するシリア北部で、少数民族クルド人の民兵部隊を攻撃してきた。独立を掲げるトルコの非合法武装組織「クルド労働者党」(PKK)と一体だとみなしているからだ。シリアに小規模ながら駐留している米軍は、このクルド人民兵部隊を支援している構図がある。

 シリア北西部の反体制派拠点、イドリブ県をめぐっては、同国のアサド政権軍とロシアが、反体制派に大規模攻撃を仕掛けるとの観測が絶えない。避難民が国境に殺到する事態を避けたいトルコは、米国が戦闘阻止に向けて影響力を行使することを期待。しかし、トランプ米大統領はシリア内戦への深入りを避けたい意向を漏らしてきた。

 2016年7月にトルコで起きたクーデター未遂事件では、トルコが「黒幕」と断定する在米のイスラム指導者、ギュレン師の身柄引き渡しに米国が応じていない。エルドアン大統領はこの問題をめぐる厳しい対米批判で国内の支持を得てきた面があり、ここにきてその政治手法が裏目に出た感もある。(カイロ 佐藤貴生)

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