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【ボストンから一言(21)】「刀折れ、矢尽きたる思い」 朝鮮総督府庁舎解体に反対した韓国人女性

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 「歴史とは栄光と恥辱が織り混ざり合ってできたものである。恥辱の歴史であっても、後世に教えるべき教訓になる」

 「インドの都市の真ん中に英国のビクトリア女王の銅像が今も立っている。インド人たちが植民地支配者であった女王をあがめるためにその銅像をそのままに残しているのではない。彼らは歴史の1コマを大事にしているだけなのだ」

 政府が進める旧総督府庁舎の爆破解体に対して市民や著名人からも反対の声があったことを教えてくれたR氏。その思いの背景には、妻の姿があったのかもしれない。

保存求める市民運動

 R氏の妻は、旧総督府庁舎の保存を求める市民運動に参加し、女性弁護士と一緒に、ジャーナリストとして戦っていた。同市民運動では、ソウル地方裁判所に旧総督府庁舎の撤去禁止仮処分を申請したが、棄却されたという。

 「撤去工事が始まる前日の夜、いきり立っているカミさんの背中をなでながら、『悔しくても決まってしまったことだから、心を鎮めないと体に障るぞ』となだめたのですが、刀折れ、矢尽きたる思いの妻を落ち着かせることはできませんでした」

 「そのひどかったストレスが原因になって、カミさんの腎臓機能が弱まったのではないかとも考えられます。この上なく残念です」 病床に伏す妻を、十年間、1人で看病してきたR氏の無念さが、ひしひしと伝わる立派な日本語のメールだった。後日、送られてきた妻との思い出を語る文章の終わりに、次の一句が添えられていた。

 「エプロンに 残った手あか 目がかすみ」

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