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【山本隆三の快刀乱麻】効果が薄いトランプ米大統領の石炭復活策 ガス火力、再生エネの流れ変わらず

米ウェストバージニア州の集会で、州歌に合わせリズムをとるトランプ大統領=9月(AP=共同)
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 米ウェストバージニア州は、全米でもっとも所得の低い州の1つである。年収の中間値は4万3000ドル(約470万円)で、全米50州中49位だ。同州の炭鉱を見学するため、私を含めた日本人数人のグループで炭鉱近くの町に宿泊したことがある。ホテルに着くと、フロントにいたおばさんが「うちのホテルに外国人が泊まるのは初めて」と言うので、驚いたが、もっと驚いたのはホテルはもちろん、町中にもレストランがなく、チキンのファストフード以外に食事方法がなかったことだ。

 貧しい州を支える産業は坑内掘りが中心の石炭だ。坑内掘りの炭鉱ではかつて、労働組合の力が強かった。危険と隣り合わせの坑内掘りだけに、そこで働く組合員の結束は強く、労働協約改定時には組合員がストライキに突入し、戦闘服姿でライフルを持つ組合員が炭鉱の周りを固めるのが普通だった。ライフルは、貯炭を運び出すために雇われたトラックを狙撃するのに使われ、時として死者が出ることもあった。しかし、組合離れにより組合は徐々に力を失う。

 民主党支持の組合員は、2000年代になって温暖化対策、石炭離れを進める同党を離れ、共和党支持に変わり始める。温暖化対策のため、米国内の石炭火力発電への規制を強化したオバマ前大統領に対抗し、トランプ大統領は炭鉱関係労働者の支持獲得を狙い、選挙期間中から石炭復活を打ち出した。狙いは当たり、炭鉱関係労働者が多い州を制覇することに成功した。アパラチア炭田の中心であるウェストバージニア州での得票率は70%を超えた。

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