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南北、非武装地帯で地雷撤去開始 米韓軍の抑止力低下懸念も

本共M韓国鉄原カラー
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 【ソウル=桜井紀雄】韓国と北朝鮮の軍当局は1日、非武装地帯(DMZ)や板門店の共同警備区域(JSA)で地雷を撤去する作業を始めた。9月の首脳会談での軍事的緊張緩和に向けた合意に基づく最初の措置だが、軍事分野での合意文には、飛行禁止区域での偵察活動の禁止も盛り込まれ、米韓軍の抑止力が低下するとの懸念も持ち上がっている。

 人の往来があるJSA内では、地雷は多くないとみられているものの、20日まで作業が行われ、この後、武器を携帯しない南北の将兵35人ずつが共同警備する「非武装化」に移る見通しだ。観光客が双方のエリアを往来できるようになることも想定されている。

 朝鮮戦争(1950~53年)の激戦地だった江原道鉄原のDMZ内の「矢じり高地」でも地雷撤去作業が始まった。韓国軍や国連軍戦死者の遺骨計約500柱が埋まっていると推定され、11月末までに作業を完了し、来年4~10月に南北が共同発掘を行う予定だ。

 軍事分野での合意文にはさまざまな衝突防止策が盛り込まれ、韓国内で特に懸念されているのは、軍事境界線から南北に10~40キロの飛行禁止区域が設けられ、区域内で偵察機や無人機による偵察活動が禁じられることだ。北朝鮮の長距離砲約340門が韓国の首都圏を捉えているとされる中、北朝鮮をしのぐ米韓軍の監視能力が骨抜きになる恐れが指摘されている。

 韓国軍元合同参謀本部作戦本部長の申源●(=さんずいに是)・高麗大教授は「相手に攻撃する意図がないことを自らの目で確認できるという軍事的信頼構築の原則に反し、挑発を感知できずに偶発的衝突の可能性をかえって高める措置だ」と憂慮を示す。

 黄海や日本海に緩衝水域を設け、軍事訓練の中止も定められたが、韓国側の水域の方が広く、首都圏にかけて防衛上の「大きな空白」が生じるとの見方もある。DMZ内の監視所を南北双方が11カ所ずつ試験撤去することでも合意したものの、既存の監視所は北朝鮮側約160カ所に対し、韓国側は約60カ所で公平性に欠けるとみられている。

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