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【環球異見 中国とバチカン暫定合意】中国との国交樹立なお時間 聯合報(台湾)

中国との暫定合意発表後の9月26日、バチカンのサンピエトロ広場で信者との一般謁見に望む法王フランシスコ(AP)
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 中国がバチカンと司教任命問題で暫定合意に達したことに対し、バチカンと外交関係がある台湾は、警戒を強めつつも冷静に受け止めている。中国とバチカンの間で水面下の交渉が進んでいるとの観測はここ数年、何度も浮上しており、想定内だったようだ。バチカンが台湾との断交を明確に否定していることも「救い」になった。

 聯合報は9月25日付の社説で、「台湾が長い間、心配してきたことがついに起きた。北京とバチカンの関係は、大きな一歩を踏み出した」と警鐘を鳴らしている。

 バチカンは台湾が外交関係を有する17カ国のうち、欧州で唯一の国だが、人口約2300万人の台湾でカトリック教徒は約30万人ほど。社会的影響はほとんどない。

 だが、民主進歩党の蔡英文政権が発足して以降、中国の圧力で5カ国と断交に追い込まれており、国際的に知名度の高いバチカンとの外交関係が失われれば、「近年で最も大きな衝撃を受けるのではないか」(外交関係者)との見方が強い。カトリック教徒の多い中南米諸国との外交関係の維持にも悪影響があるとみられている。

 ただ、聯合報の社説は、今回の暫定合意の具体的な内容が公表されていないことから、「北京とバチカンの相互の信頼は低く、問題は多い」との見方を示す。司教任命問題で双方が妥協しても、地下教会の位置付けなどが未解決のままだとする。

 同紙は、バチカンに駐在する外交関係者の分析を引用する形で、中国とバチカンの国交樹立は「短期間には起きない」との見方を示した。バチカンが1990年代後半から協議を続け、司教任命問題を解決したベトナムとの間で「20年以上を経ても国交がない」ことも、根拠に挙げている。

 蔡政権の態度にも、なお余裕がにじむ。総統府の黄(こう)重諺(じゅうげん)報道官は、「外交はゼロサムゲームではない」とした上で、暫定合意で中国の信徒が信教の自由を享受できるのであれば、「祝福すべきことではないか」と述べた。(台北 田中靖人)

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