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【環球異見 中国とバチカン暫定合意】法王の対中接近と妥協 ルモンド(仏)

中国との暫定合意発表後の9月26日、バチカンのサンピエトロ広場で信者との一般謁見に望む法王フランシスコ(AP)
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 キリスト教カトリックの総本山バチカン(ローマ法王庁)が長年対立してきた中国と司教任命問題で暫定合意したことに対し、仏紙は宗教弾圧が続く中国との合意に疑問を示した。一方で中国紙は国内の宗教信者に、「愛国者でなくてはならない」とクギを刺した。バチカンと外交関係をもつ台湾は“断交”を強く警戒しながらも、中国がバチカンと国交を結ぶまでにはなお時間がかかる、との見方が示されている。

 ■ルモンド(仏) 法王の対中接近と妥協

 バチカンと中国の暫定合意は西欧カトリック圏で大きな関心を集めた。9月25日付のフランス紙ルモンドは「法王フランシスコの対中接近が生んだ妥協」と評した。同紙は「中国の公認教会と、法王に忠誠を示す“地下教会”との間の分裂解消を目指した合意だ」と指摘した。

 2013年3月13日だった法王の即位が、習近平氏の国家主席への正式就任のわずか1日前だったことに触れ、「法王は当初から対中接近に前向きだった。中国をいつか、自ら訪問したいとの希望を繰り返し示してきた」と伝えている。

 一方で、「中国のカトリック教会に対する弾圧は強まるばかり。イスラム教徒への監視も強化しており、少数民族ウイグル族の100万人近くが、再教育施設に送られたとみられる」として、宗教弾圧が続く中での合意に疑問を示した。

 スペイン紙パイス(電子版)は9月22日、「約70年ぶりの中国との外交関係復活に扉を開いた」と合意を評価した。

 同紙はまた、米中による貿易戦争のさなかに、「世界第2の経済大国がカトリック教会と合意した政治的な意味は大きい」と評した。「米国第一」主義のトランプ政権が、文化や通商で米国の国際的影響力を弱める中、「中国への国際的なお墨付きになる」との見方も示した。

 さらに、中国はアフリカに次ぎ信者が急増する地域と指摘。米国はプロテスタントの福音派に押されており、カトリック教会にとって「中国は活動拡大に不可欠な拠点になった」と分析している。

 イタリア紙スタンパ(電子版)は9月22日、暫定合意は、「(関係改善の)魔法のつえではない。歴代法王が進めたプロセスの一歩にすぎない。それでも、長く、困難なプロセスの重要な瞬間になった」と控えめに評価した。中国共産党政権が、法王をカトリック教会を統率する精神的指導者だと初めて認め、分裂していた中国の教会が統一に向かうのは前進だと評している。(パリ 三井美奈)

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