【独自】北朝鮮の真意探る日本政府 韓国の文大統領にも不信感
日本政府は、米ニューヨークで25日夜(日本時間26日午前)に行われた日韓首脳会談で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長について「拉致問題も含め、安倍晋三首相と向き合う必要があると分かっている」とした韓国の文在寅大統領の説明を冷静に受け止めている。北朝鮮との関係改善に強い意欲を見せる文氏が、拉致問題をてこにして日朝の接近を狙っているとの懸念も否定できないためだ。
「文大統領より、拉致問題解決の重要性など金委員長に伝達したとの紹介があった。金委員長の反応を含め、外交上のやりとりの詳細、評価について述べることは差し控えたい」
菅義偉官房長官は26日の記者会見でこう指摘し、日韓首脳会談について踏み込んだ言及を避けた。日朝首脳会談に関しても「現時点で決まっていることは何もない」と述べた。
日本政府は、文氏が安倍首相に説明した中で、拉致問題を含む日朝関係の部分を公表していない。文氏の発言の信憑性がまだ不明だからだ。
日本政府はかねて慰安婦問題などで「文氏は言動がちぐはぐ」との印象を持っており、文氏への不信感が根強い。北朝鮮をめぐる対応でも、文氏やその周辺は「もともと親北朝鮮派」とされ、日米両政府は常に文政権を不安視してきた。