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「拉致は解決済み」引っ込めた北朝鮮の思惑は 制裁緩和まで様子見か

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 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領を通じて「日本と対話し、関係改善を模索する」用意を表明した。ただ、「適切な時期に」ともしており、北朝鮮にとって日朝関係が、体制保証や制裁緩和を導くための対米・南北交渉に比べて優先順位が高いとはいえない中、日本の出方を探る段階から抜け出してはいないようだ。

 「日本は表で朝日首脳会談をうんぬんし、拉致問題などの解決後に関係正常化などと、わが国に秋波を送り、よこしまに振る舞っている」。北朝鮮は26日、民間団体と称する「アリラン協会」のサイトでこう指摘し、自民党総裁選で連続3選を果たした安倍晋三首相を呼び捨てで批判した。

 対外宣伝サイト「わが民族同士」も26日、拉致問題解決などの「無駄口を並べ、侵略の刃物を研ぐ安倍一味こそ厚顔無恥だ」と非難。「千年の宿敵への報復意志」に言及して牽制(けんせい)した。北朝鮮の脅威に備え、防衛力強化を進める安倍政権を従来通り批判しながらも、拉致問題を論じる際に強調してきた「既に解決」「全て解決」といった文言が見当たらなくなった。

 北朝鮮は8月半ばまでメディアで日本人拉致問題は「ありもしない」「既にごみ箱にぶち込まれていた」などと繰り返してきた。拉致問題交渉を最初から受け付けない姿勢を軟化させたとも受け止められるものの、拉致問題解決を最優先する日本の立場を批判する論調には変化がない。

 北朝鮮は日本の経済支援を期待しているとの見方がある一方、海外からの支援は制裁緩和が前提となる。韓国の専門家は、北朝鮮が対米交渉に傾注する中、「日本から大きな利益が引き出せると判断するまで本格的対日交渉には乗り出さないだろう」と分析する。

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