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【緯度経度】白頭山と漢拏山の「血の秘密」 黒田勝弘

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 こうした“血統の秘密”から日本や韓国の親北朝鮮派の間では「朝鮮半島北端の白頭山と南端の漢拏山の血を受け継いだ金正恩氏こそ来るべき統一コリアの指導者にふさわしい」などといった“ヨイショ話”が語られてきた。

 金正恩氏のソウル訪問となると、母親の出自を含め彼の「南の血筋」が話題になるだろう。金氏にとってソウル訪問のリスクは、最大の懸念である「身辺の安全」もさることながら、その「血統のナゾ」を北の国民に向けどうクリアするかだ。リスクがあっても漢拏山に登ることで韓国をさらに取り込もうとするのかもしれないが、そこまでやれれば金氏の変化の意思はかなり本気ということになるだろう。

 文在寅氏にとって今回の平壌訪問の最大の皮肉は、韓国であれだけ民主化や人権を語り、軍事政権や独裁政権と闘い大統領の座に上りつめた彼が、自らの政治的看板とは真逆の国で真逆の指導者と抱き合い、信頼や友好・協力を繰り返し語ったことだ。文氏をはじめ韓国はこの“つじつま”を今後、どう合わせるのだろう。

 韓国は「戦後世界で経済発展と民主化を同時に実現させた希有(けう)の国」を内外に誇ってきた。次は東西冷戦後世界に残された最後の分断国家状況の解消と、希代の全体主義国家・北朝鮮の民主化という世界史的(!)課題を背負っている。これは隣国としても見モノである。(ソウル駐在客員論説委員)

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