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【湯浅博の世界読解】中露の危険な疑似同盟

 1972年の米中和解を牽引(けんいん)したキッシンジャー元国務長官が、トランプ米大統領に伝授した「逆ニクソン戦略」は、もう遅すぎたのかもしれない。米ソ冷戦期のニクソン戦略が、対ソ封じ込めのためのカードとして中国と和解したのに対し、今回は逆に、中国封じ込めのためにロシアン・カードを使うという提言だった。

 しかし、トランプ氏の大統領選にからんだロシア疑惑が鳴りやまず、とてもロシアとの和解に踏み出すことなどできる情勢にない。選挙の内情を知るトランプ陣営の元選対本部長、マナフォート被告が司法取引に応じ、ロシアの米大統領選への干渉疑惑を捜査するモラー特別検察官に協力する意向を表明したからなおさらだ。

 しかも、そのニクソン元大統領をやはり大統領選にからむ事件で辞任に追い込んだワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワード記者が、今度はトランプ政権の暴露本「FEAR(恐怖)」を出版したばかりだ。11日の発売初日だけで75万部が売れたというから、米国民の関心の高さを示している。

 そんなトランプ政権の混乱を尻目に、中国、ロシアという2つの大国が、緊密に連携して疑似同盟を形成しつつある。ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が11日、ウラジオストクでの首脳会談で「中露関係の発展と深化は戦略的選択だ」と手を結んだ。中露の国防相もまた、冷戦後最大規模となる合同軍事演習「ボストーク2018」をきっかけに、これを定期演習に格上げすることで合意した。

 中露の海軍はこれまでも、日本海から地中海に至る海域で合同演習を行ってはいた。ただ、表向きは協調しても、裏では軍事技術や戦術など互いに手の内をさぐる偵察、接近を繰り返し、相互不信がぬぐえなかった。

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