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【古森義久の緯度経度】反トランプ・反安倍ありき 米紙の偏向報道

 会談で握手する安倍首相(左)とトランプ米大統領=6月、ワシントンのホワイトハウス(共同)
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 米国のワシントン・ポスト紙が8月末に「トランプ・安倍両首脳衝突」説を報道した。緊密な日米両首脳が不仲になったという趣旨の記事で、日本側では公式に否定された。だがその影響は屈折した波紋を広げる。

 米国発の日本がらみのこの種の報道はこれからもあるだろう。だからこの記事の解析を試みた。その結果、浮かんだのはまず反トランプ、反安倍ありき、という政治的な偏向だった。

 ワシントン・ポストで国務省などを担当するジョン・ハドソン記者が中心になって書いたというこの記事は8月28日の同紙ネット版で流された。9月3日には少し短縮され、同紙の一般紙上に掲載された。

 長文の同記事の第1の特異点は冒頭のトランプ大統領が口にしたという「私は真珠湾を覚えている」という言葉である。記事によると、同大統領は6月の首脳会談で安倍晋三首相にこの言葉をぶつけたという。

 安倍首相はその「発言」自体を否定したわけだが、米側一般での真珠湾への言及は文章では命令形で「真珠湾(への日本軍攻撃)を覚えていろ(忘れるな)」が普通である。トランプ大統領は自分が「覚えている」と述べたのだとすれば、命令形の敵意の表現とは意味が異なってくる。

 事実、同記事も同首脳会談にかかわった「外交官」が「大統領の真珠湾への言及の意味は説明できない」と述べたと記していた。ところが記事全体では大統領が日米戦争での反日標語まで使うほどの敵意を安倍首相に示したという印象だけが残るわけだ。

 第2の特異点は日本政府代表が7月に北朝鮮高官と拉致事件に関して会談したことを米側に隠したので、トランプ政権がいらだった、という記述である。拉致問題での日米間のやりとりは幅広く、この一件で両首脳が不仲になるという構図はまったく浮かんでこない。

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