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【主張】米朝首脳の再会談 誰のための非核化交渉か

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 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がトランプ米大統領への書簡で再会談を要請した。年内の開催が検討されている。

 非核化をめぐる米朝交渉は、6月の首脳会談以降、何ら進展を見せていない。それなのにトランプ氏は会談が成功だったという。この認識のまま再会談しても成果は期待できまい。再び金委員長のペースに引き込まれる恐れがある。

 米国が応じるのなら、北朝鮮に対し、核ミサイル戦力や製造施設の申告、廃棄への行程表提示など具体的行動を取らせなければならない。これらの根幹をあいまいにしたまま「歴史的会談」の実現を優先させたことが、その後の交渉停滞につながったのである。

 非核化交渉は、11月の米中間選挙に向けたトランプ氏の実績作りのためにあるのではない。平和への脅威を排除するものである。

 建国70年の軍事パレードに大陸間弾道ミサイル(ICBM)は登場しなかった。金委員長の演説もなく、核戦力の誇示を控えた。米国への配慮と指摘されるが、実際には、トランプ氏への配慮というべきだろう。

 トランプ氏のみを取り込もうとするのは北朝鮮の戦術であり、警戒が必要だ。米政府によると、再会談を要請した金委員長の書簡は「温かく前向きだった」という。だが、直前にポンペオ国務長官に出した北朝鮮の書簡は「好戦的」だった。だからこそトランプ氏は長官訪朝を中止したのではなかったか。

 韓国大統領特使に対する金委員長の発言はもっと露骨だ。トランプ氏への信頼に変わりはなく、大統領の1期目に「非核化できるといい」と述べたという。トランプ氏は「すばらしい」と応じたが、うのみにするのは危うい。

 交渉が停滞している間も北朝鮮の核兵器製造は進んでいる。国際原子力機関(IAEA)は北朝鮮の核施設で活動が続いているとしており、天野之弥事務局長は「開発を進展させていることが重大な懸念」という見解を表明した。

 日本は北朝鮮の中距離弾道ミサイルの射程に収まる。米朝交渉が進行中というだけで脅威の認識が薄れているのが心配だ。

 日本はもっと主体的に取り組むべきである。安倍晋三首相は今月末の首脳会談などでトランプ氏と緊密に意思疎通を図り、軽率な言動を抑えてもらいたい。

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