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【環球異見・米国が「宇宙軍」創設へ】中露に対し脆弱状態は深刻 USA TODAY(米国)

 宇宙軍創設のイベントに参加した米国のペンス副大統領(左)とマティス国防長官=9日、ワシントン近郊の国防総省(AP)
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 宇宙空間で軍事能力を高めている中国やロシアを“仮想敵国”とみなす米国が「宇宙軍」を2020年までに創設すると表明した。トランプ政権のめざす「力による平和」を宇宙でも展開する。米紙は「宇宙で米国は脆弱(ぜいじゃく)だ」と中露への警戒感を示した。一方で中国紙は「宇宙の軍拡競争という“パンドラの箱”を開けた」と反発。ロシア紙も「1980年代の“スターウォーズ計画”の再来だ」などと論評している。

中露に対し脆弱状態は深刻 USA TODAY(米国)

 トランプ米大統領による「宇宙軍」創設構想の評価をめぐっては、米主要紙で賛否が割れている。

 USA TODAY紙(電子版)は9日の社説で、「米国は宇宙での国防力を強化する必要がある」と論評した。陸海空では中国、ロシアに対して圧倒的優位にある米国が、宇宙空間では「脆弱な状態は深刻だ」と指摘。中国やロシアが衛星破壊兵器の開発を進めており、地球を周回している90近い米軍の軍事衛星が無力化されれば、通信や位置確認を衛星情報に頼っている米軍は、簡単に活動を封じられてしまう、と警告した。

 ただ同紙は、トランプ政権が提唱するように、陸海空軍、海兵隊、沿岸警備隊に続く「第6の軍」として新設するのは「コスト増と他の軍との任務の重複」につながるとして疑問も示し、むしろ各軍から要員を出して「統合宇宙司令部」をつくるか、空軍を「航空宇宙軍」へと改称して宇宙関連の任務を担わせた方が「理にかなう」と主張した。

 ワシントン・タイムズ紙(同)の12日の社説は、「米国による宇宙での優勢確立」は常軌を逸した考えではなく、月への有人飛行を掲げた故ケネディ元大統領と同じ理想に基づくと強調し、トランプ氏の構想を支持すると表明した。

 一方で、ニューヨーク・タイムズ紙(同)は7月28日の社説で、トランプ氏による「宇宙での優勢を確立する」「宇宙は陸海空と同様の戦闘空間だ」との発言は、「宇宙での軍拡競争を加速化させ、宇宙での戦闘が発生する恐れが一層高まる」として懸念を表明。宇宙で軍事衝突が起きれば、最も被害を受けるのは多数の衛星を宇宙空間に展開している米国だと指摘している。

 同紙は米国と中国、ロシア、欧州連合(EU)が衛星破壊実験の自制を含め、宇宙での責任ある行動のための規範づくりに取り組むべきだとも訴えた。(ワシントン 黒瀬悦成)

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