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【主張】
イラン核問題 北朝鮮に足元見られるな

 米国のイラン核合意からの離脱に伴い、トランプ政権が、イランに対する経済制裁の一部を復活させた。11月には、イラン産原油の禁輸など、さらに影響の大きい制裁を発動する。

 イランは、中東のテロ組織を支援し、イスラエルなどを射程に収める弾道ミサイルを保有する。ミサイルや核の技術をめぐり、北朝鮮との関係も疑われる。そのような国が、核戦力を手にすることがあってはならない。

 トランプ政権のそうした発想は妥当だ。核不拡散体制を逸脱し核開発に突き進む国には圧力で臨むという姿勢も支持できる。

 問題は、その進め方である。米国とイランの対立の行方は、米国から核戦力の放棄を迫られている北朝鮮が注視している。

 いかにして、イランの核の脅威を取り除くのか。トランプ政権に求められているのは、その展望を示すことだ。それができなければ北朝鮮に足元を見られよう。

 イラン核合意は、2025年以降の核開発制限の段階的緩和など不完全と指摘される部分があり、トランプ政権やイスラエルは「最悪の合意」とみなしている。

 だが、米国の合意からの離脱は、枠組みを維持したい欧州との軋轢(あつれき)を招いた。

 米欧の不一致は、核開発阻止に向けた圧力を不十分なものとする。中東で影響力を広げたいロシアや、産油地帯までの海上交通路(シーレーン)を影響下に置きたい中国を利することにもなる。

 米国は核合意離脱後、イランに対し、ウラン濃縮の完全中止や弾道ミサイルの発射、拡散中止など厳しい要求を突きつけた。核の脅威を除く上で十分なものだ。

 トランプ大統領は、イランのロウハニ大統領と会談の用意があると述べ、イランに「取引しよう」と持ちかけた。

 重要なのは取引の中身だと認識してもらいたい。もし米国が最初に掲げた高いハードルを不用意に下げると、北朝鮮も同種の期待を抱きかねない。

 米国に反発するイランは、ホルムズ海峡で軍事演習を実施した。ロウハニ氏は同海峡の封鎖をにおわせたこともあるが、もってのほかの振る舞いである。

 イラン産原油の禁輸に至れば日本経済への影響も少なくない。政府は関係国とも協調して、事態打開のため動くべきだ。

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