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【台湾有情】行政院報道官の2つの名前にしのばれる先住民の苦労

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 台湾の行政院(内閣に相当)で報道官に就任した女性(44)を囲む会があった。先住民のアミ族出身で、台湾社会の多様性を重視する民主進歩党らしい人事だ。

 報道官の自己紹介動画を基に書いた7月13日付の記事では、名前を「グラス・ヨタカ」と表記したが、ご本人に直接、その由来と実際の発音を聞いてみた。

 正確には「グラス・ユダカ」だという。グラスは祖母の名を取り、ユダカは姓ではなく父親の名。祖父が日本統治時代に「ヨシナリ」という日本名を名乗って、息子にも日本名をつけた。おそらく「ユタカ」だが、アミ族の発音とローマ字表記の関係で「ユダカ」になったと話してくれた。アミ族の言葉は日本の影響もあり、机は「ツクイ」、テレビは「ディリビ」とも言う。

 かつては「葉冠伶」という名だった。終戦で中国国民党政権の施政下に入った台湾では、1946年以降、中国風の名前が強要され、戸籍に部族名を記載できなくなった。80年代に部族名の回復運動が始まり、95年の法改正で漢字による音訳記載が認められたが、ローマ字表記は2001年まで認められなかった。

 台湾の新聞では今も「谷辣斯・尤達●(=上の下にト)」「Kolas Yotaka」の2表記がある。歴史に翻弄された先住民の苦労がしのばれる。(田中靖人)

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