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【矢板明夫の中国点描】人民日報は「行間を読め」 消えた言葉と表れ出した言行不一致

街中に設置された共産党のスローガン。習近平氏の名前は“省略”されている=7月31日、中国河北省・北戴河(西見由章撮影)
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 十数年前、記者として北京に駐在し始めた頃、周りの共産党幹部や知識人たちが党の機関紙、人民日報を丁寧に読み込んでいるのをみて、まねをしてみた。しかし、内容は要領を得ないものだった。「中国の特色ある社会主義を建設する」「科学的発展観を堅持しよう」といった無味乾燥な政治スローガンが繰り返し並べられ、どこが重要なのかさっぱり理解できなかった。

 ある党古参幹部に尋ねたところ「記事の内容を無視して行間を読め」といわれた。そもそも官製メディアの記事は、党の指導者とその政策の正しさを宣伝することを目的にしている。それを正しく理解したところであまり役に立たない。注目すべきなのは、頻繁に登場する言葉がある日を境に突然、紙面から消えた場合、それは党の重要政策が変更したことを意味するということだ。また、新聞に書いてあることと現実に起きていることに大きな乖(かい)離(り)が生じた場合、指導部の政策が現場で抵抗にあい、遂行ができにくくなった可能性があると理解すべきだ。

 あれ以降「消える言葉と、言行不一致のところはないのか」を念頭にいれて人民日報を読むようになった。中国政治に対する理解がいくらか深まったような気がした。

 約2カ月前、中国官製メディアに習近平指導部の根幹産業政策である「中国製造2025戦略」という言葉が突然、ほとんど見られなくなったことに驚いた。

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