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【緯度経度】したたかなイスラエル、露に急接近 三井美奈

 16日、フィンランド・ヘルシンキでFOXニュースのインタビューを受けるロシアのプーチン大統領(タス=共同)
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 はちゃめちゃなトランプ節が炸裂(さくれつ)したヘルシンキの米露首脳会談。議題も合意もお構いなしの大騒ぎの中、唯一得をした国があった。イスラエルだ。

 会談後の記者会見。シリアに触れたプーチン露大統領は、イスラエルの占領地ゴラン高原で「1974年の協定を完全に順守すべきだ」と言った。協定は第4次中東戦争後、イスラエルとシリアの間に兵力引き離し地帯設置を定めたものだ。シリアは67年の第3次中東戦争でイスラエルにゴラン高原を占領され、奪回を狙ったが、果たせなかった。

 プーチン氏の発言は「占領維持の後見役になる」と公約したのに等しい。イスラエルのネタニヤフ首相は直ちに、発言を「高く評価する」と声明を出した。イスラエルはシリアにイラン部隊が潜伏し、ゴラン高原や周辺地域の攻撃を狙ったと訴え、シリア空爆を繰り返してきたから、ロシアの公約はありがたかった。

 会見ではトランプ米大統領もイスラエル支援を約束したが、同国で「この人は頼れない」というムードが広がっているのは明らかだ。地元紙ハーレツは「トランプ氏のとっぴな言動を見れば、ロシアに賭けて正解だったのは明白だ」と評した。ネタニヤフ氏は昨年来、約20回も電話や直接会談を繰り返し、プーチン氏と関係構築に努めてきた。

 ロシアはシリアのアサド政権にテコ入れし、イランと共同歩調をとる。だが、イスラエルが絡むと、途端にイラン牽制(けんせい)に回る。

 シリア南部ではアサド政権軍と反体制派の停戦交渉まで引き受け、汗をかく。駐シリア露大使は19日、「今のシリア南部に親イラン勢力はいないはずだ」とタス通信に述べた。イスラエルへのメッセージだ。

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