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【宮家邦彦のWorld Watch】一枚岩に程遠いNATO

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【宮家邦彦のWorld Watch】
一枚岩に程遠いNATO

国防費などについて議論が交わされた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議=11日、ベルギー・ブリュッセル(AP) 国防費などについて議論が交わされた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議=11日、ベルギー・ブリュッセル(AP)

 開催前は混乱すら予想された今年の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議だが、終わってみれば、欧州加盟国は国防費増額を約束し、米国も条約上の防衛義務を再確認した。あのブリュッセルの大騒ぎは一体何だったのか。今回のテーマは必ずしも一枚岩でないNATOの実態である。

 当初からトランプ米大統領はけんか腰だった。ロシアからの天然ガスパイプラインに巨額出資するドイツを「ロシアの囚人」と罵(ののし)り、NATOに「何の価値があるか」と批判した。対するメルケル独首相は「自分はソ連時代の東独を知っている、今やドイツは自由だ」と反論、他の欧州首脳も同調した。ロシアの識者はこのNATO内紛に「ソ連時代から夢見たことを米国が実現してくれた」と喜んだらしい。

 トランプ氏の関心は相変わらず金銭がらみだ。「米国は欧州防衛に多額の支出を行う一方、貿易では巨額の損失を被っている。国防支出の対GDP比率を直ちに2%に引き上げよ」ともツイート。果たして、結果はどうだったか。

 閉幕後の記者会見でトランプ氏は、「NATO諸国の国防費は今後実質増額され、最終的にGDP比2%以上となるだろう」と述べた。欧州各国首脳よりも、米国内の支持者に対する選挙メッセージであることは明白だ。

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