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【緯度経度】ロシア疑惑とフェイクニュース 古森義久 

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【緯度経度】
ロシア疑惑とフェイクニュース 古森義久 

2016年米大統領選のロシア関与疑惑を捜査するロバート・ムラー特別検察官(ロイター) 2016年米大統領選のロシア関与疑惑を捜査するロバート・ムラー特別検察官(ロイター)

 議会でも下院情報特別委員会は「ロシア疑惑」への大規模な調査を進め、今年3月には共和党主導とはいえ「トランプ陣営とロシアとの共謀はなかった」との結論を出し、特別検察官の捜査終了を提言した。だが民主党側ではなお捜査の継続を求めているわけだ。

 その民主党側の主張を代弁することが多いワシントン・ポストでは一線記者のクリストファー・イングラム氏が起訴状発表の直後に「トランプ陣営とロシアの共謀がこれで証明された」という趣旨の記述を一連のツイッターで発信した。

 イングラム記者は16年7月27日に当時のトランプ候補が記者会見で冗談まじりに「ロシアよ、もし(この発言を)聞いているなら、3万件の(国務長官時代のクリントン氏の)行方不明のメールをみつけてほしい」と述べたことと、今回の起訴状の一部の「同7月27日ごろロシア軍要員はクリントン個人事務所のメールサイトに初めて不正侵入を始めた」という記述を結びつけて、「共謀」の存在を断じていた。

 同記者は「ロシア政府はトランプ氏の指示に応じてクリントン陣営へのハッカー攻撃をこの時点で初めて開始した。これぞ共謀の証明だ」と発信し続け、多数のメディア関係者がそれを引用し、転送した。だが起訴状はロシアのクリントン陣営への攻撃はその4カ月前の16年3月から広範に始まり、同7月下旬に始まったのはその一端のクリントン個人事務所への攻撃にすぎないとしていた。

 イングラム記者はこの重要な違いを誤読か、曲読して「共謀」と断じたわけだ。

 この経緯は保守系のネット新聞「ワシントン・フリービーコン」がフェイクニュースの典型例として詳細に報道し、同記者自身もミスを認めた。(ワシントン駐在客員特派員)

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