産経ニュース

イスラム圏で「バレエ」は不道徳? イラクの“舞姫”たちがいま置かれた状況は…

ニュース 国際

記事詳細

更新


イスラム圏で「バレエ」は不道徳? イラクの“舞姫”たちがいま置かれた状況は…

毎年開催されているセレモニーでバレエを踊るバグダッド音楽バレエ学校の生徒たち=2018年4月4日、イラク(AP) 毎年開催されているセレモニーでバレエを踊るバグダッド音楽バレエ学校の生徒たち=2018年4月4日、イラク(AP)

かつてバグダッドは文化の都

 俄然(がぜん)、バグダッド音楽バレエ学校に興味がわいて、あれこれ調べてみた。少し古い記事になるが、英紙「ガーディアン」(2014年11月20日、電子版)によると、1960~80年代のバグダッドは中東地域の文化の中心地で、イラクのエリートたちも芸術と文化を愛した。独裁国家ではあったが政府も芸術文化を奨励し、バグダッド音楽バレエ学校も1968年に創立された。ロシア(旧ソ連)から招聘(しょうへい)された教員がバレエを教えていた。

 インターネット上に残る1977年に学校が制作したというモノクロの映像をみると、「くるみ割り人形」の舞台が映し出されている。プロ仕様並みの舞台衣装で踊る様子は、ロシア仕込みの正統なバレエの訓練を受けていることをうかがわせる。

 イラクにおけるバレエ環境が一転したのは、1990年のイラクによるクウェート侵攻だ。国連による制裁で経済は疲弊。学校で教えていたロシア人教員もみな帰国してしまったという。2003年のイラク戦争でフセイン政権が崩壊すると、学校は略奪と破壊の被害にも遭った。

 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の浸透もあり、西欧文化は世俗的なもの、とくにバレエはイスラム教の「ハラーム」(禁忌)で不道徳とみなされるようになった。現在もそうした偏見の中で、生徒たちはバレエを習っているのだろう。

続きを読む

このニュースの写真

  • イスラム圏で「バレエ」は不道徳? イラクの“舞姫”たちがいま置かれた状況は…
  • イスラム圏で「バレエ」は不道徳? イラクの“舞姫”たちがいま置かれた状況は…
  • イスラム圏で「バレエ」は不道徳? イラクの“舞姫”たちがいま置かれた状況は…

「ニュース」のランキング