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【サウジの変革】(下)閉塞感打破、保守層に配慮も 32歳の皇太子が主導するビジョン

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【サウジの変革】
(下)閉塞感打破、保守層に配慮も 32歳の皇太子が主導するビジョン

リヤド市街のビルの壁面に描かれたサルマン国王の肖像。市街地には国王とムハンマド皇太子の写真や肖像が多数掲げられている(佐藤貴生撮影) リヤド市街のビルの壁面に描かれたサルマン国王の肖像。市街地には国王とムハンマド皇太子の写真や肖像が多数掲げられている(佐藤貴生撮影)

 「7万人の女性がここで学び、免許を取得した。10万人が順番待ちの状態で、とても忙しい」(教習所職員のナターシャさん)。これまでにない自由の喜びを享受する若年層を中心に、ムハンマド皇太子の手法は、ひとまず高い支持を得ている。

 では、「中東の盟主」の座を目指して改革を進める皇太子に対し、他の有力王子や宗教保守層が牙をむく可能性はないのか。

 西側外交筋は、「王室などには改革に不満がある者はいるだろうが、実際に行動に出る上で核になる人物や組織は、現時点ではたぶん存在しない」と否定的な見方を示す。サウジ宗教界は国から報酬を得ており、現体制に歯向かえる状況にはないとの見方もある。

 一方で、カイロ・アメリカン大学(エジプト)のアリア・マハディ教授(62)は「皇太子ひとりで重要な決断などできない」とし、改革断行には実父であるサルマン国王の威光が欠かせないと分析した。

 その国王もすでに82歳の高齢だ。若年層や女性の支持を追い風に、王室や宗教界の長老らを懐柔しながら進む32歳の皇太子の諸改革は、サウジの行く末を左右する壮大な実験でもある。(リヤド 佐藤貴生)

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